研究課題/領域番号 |
26463109
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
澤味 規 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (90710442)
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研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 医用ミニブタ・先端医療開発研究センター, 教授 (30287099)
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 再生歯学 / 神経幹細胞 |
研究実績の概要 |
う蝕が重度に進行し歯髄に達すると、歯髄炎を惹起し歯髄処置が行われる。最近の再生医療研究の発展により神経幹細胞から神経が再生することが徐々に判ってきた。う蝕に罹患した乳歯歯髄を対象として、今までは廃棄されてきた歯髄内の神経細胞から神経幹細胞が得られれば、in vitroで増やし、神経細胞への分化誘導をはかり、自家移植することで機能的な根管充填材として使用するテーラーメイド医療が可能となる。廃棄歯髄から神経幹細胞を遺伝子工学的に濃縮する方法を確立し、特性解析、in vivo での機能性検定を通じ、当該細胞が歯再生への有効な資材となり得ることを証明することを目的としている。 ヒト乳歯歯髄由来の初代培養細胞への遺伝子導入、それによる遺伝子機能の解析は、あまり行われていない。これまで、当該細胞への効率的遺伝子導入系が検討されてなかったことが背景にあると思われる。Piggy Bac(PB)トランスポゾンによる遺伝子導入法は、哺乳類細胞でも効率よく外来性の遺伝子導入を達成でき、当該遺伝子が宿主ゲノムに挿入された遺伝子導入安定株を通常の系よりも効率良く取得できる。今回、この方法を歯系細胞およびそれに由来するiPS細胞に適用した。その結果、プラスミドだけの導入では安定株が得られなかったものが、PB系では確実に取得することが出来た。PB系を用いた乳歯歯髄細胞およびiPS細胞への遺伝子導入により、遺伝子導入安定株は効率的に取得できることが明らかとなった。また、乳歯歯随細胞から歯髄幹細胞を遺伝子工学的に単離し、その幹細胞特性について検討したところ、神経幹細胞特異的マーカーの遺伝子発現を認めた。in vitroにて分化誘導を行ったところ、神経細胞様の細胞を認めた。 標的としているNestin promoterは入手しており、プラスミドベクターの構築に取りかかっており、今後は遺伝子工学的手法により神経幹細胞を単離する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳歯歯髄細胞に関して、これまで知られる神経幹細胞マーカーの発現をRT-PCR 法で検索した。また、廃棄乳歯歯髄を神経細胞培養用培地で培養し、増殖した細胞が神経細胞の特性を示すかを神経細胞のマーカーで検索した。 また、乳歯歯随細胞から歯髄幹細胞を遺伝子工学的に単離し、その幹細胞特性について検討したところ、神経幹細胞特異的マーカーの遺伝子発現を認めた。また、in vitroにて分化誘導を行ったところ、神経細胞様の細胞を認めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、神経幹細胞特異的nestin promoterはすでに入手しており、トランスポゾンベクターpT-NEIN [+ EGFP cDNA+ IRES(internal ribosomal entry site)+ neomycin 耐性遺伝子(neo) + ポリA 付加部位]を作製する。遺伝子導入後の乳歯歯髄細胞から、G418にて薬剤耐性細胞を得ることができる。この細胞は神経幹細胞と期待され、神経幹細胞特異的nestin promoter が作動するため、EGFP蛍光を発し、且つ、G418 耐性(neo が発現するので)となる。mRNAレベルでの解析を行い、神経幹細胞マーカーの発現を確認する予定である。 単離した細胞を用いてin vitroでの神経幹細胞から神経細胞への分化誘導についても検討する予定である。
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