Mecp2欠損による延髄呼吸中枢でのGad1遺伝子発現へのエピジェネティックな影響とバルプロ酸(VPA)投与の効果を幼若マウスで検証した。MeCP2欠損マウスでは野生型マウスに比べ15日齢で呼吸中枢でのGad1 mRNAレベルが低かったが,VPAの7日間の投与により上昇した。VPAを投与したMecp2欠損マウスでは,延髄呼吸ニューロンのヒストン上のリジン残基H3K9およびH4K5について,生理食塩水群(コントロール)に比べアセチル化レベルの有意な上昇が認められた。以上のことから,VPAがヒストンアセチル化を介した延髄呼吸中枢でのGad1遺伝子発現の調節に影響を及ぼすことが示唆された。
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