研究課題/領域番号 |
26463122
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小森 成 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90267229)
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研究分担者 |
宇塚 聡 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (00318544)
大津 光寛 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30307962)
三ツ林 裕巳 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (80267228)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症 / 小児 / 頭部エックス線規格写真 / 携帯型睡眠検査装置 / 骨格的形態 / いびき / 覚醒 / 口腔模型 |
研究実績の概要 |
日本歯科大学附属病院矯正歯科にて混合歯列前期(上下顎両側第一大臼歯、中切歯、側切歯が萌出している)であり、さらにArch Length Discrepancy が-5mm未満の軽度から中等度の叢生を示す矯正歯科治療適応患児のうち保護者が研究に同意したものを対象とした。なお、頭蓋顎顔面領域の先天性疾患を有する、鼻咽腔領域に手術既往がある、乳犬歯ならびに乳臼歯に欠損を認める、乳犬歯ならびに乳臼歯に著しいウ蝕や根尖性歯周炎による早期脱落の可能性を認める、第三大臼歯を除く永久歯に欠損を認める、書面による同意が得られないものを除外したため、対象は13名(男児5名、女児8名)となった。 矯正治療としては上下顎歯列を側方拡大することにより叢生を改善する。この際の矯正装置にはスクリューを組み込んだ可撤式矯正装置を用いる。拡大量は個々の症例に応じて異なるが、術前の叢生量を拡大の目安とした。 頭部エックス線規格写真よりSNA、SNB、Wits等を含む角度分析ならびに角度分析を行い、上下顎骨の形態的特徴を分析した。携帯型睡眠検査装置による簡易PSG検査より、呼吸、いびき、SpO2、脈拍数、体位、体動をパラメータとしたデータを収録した。患児の口腔内より採得した印象より作製した歯列模型を用いて、歯列弓幅径、歯列弓長径、大臼歯歯軸傾斜、overjet、overbite等の形態的特徴を計測した。なお、咬合力についても計測する予定であったが、計画していた咬合力計が製造中止となり、他の会社から類似の計測機器が製造されていなかったため、咬合力については計測対象外とした。骨格的形態、歯槽形態、BMI、AHI等の評価項目からOSA群と非OSA群との間に統計的有意差が認められるかについては、矯正治療が終了した患児が少ないため統計処理できる段階には至っていないため、さらに対象を増やして検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
咬合力については計測対象外としたが、その他の頭部エックス線規格写真、口腔模型、簡易PSG検査による分析についてはデータベースを構築する体制が整った。なお、矯正治療の期間が6-12ヶ月と比較的長期にわたるため、ほとんどの患児は矯正治療途中のため初診時の資料にとどまり、治療前後の比較ができる患児は数例に留まる。 頭部エックス線規格写真、口腔模型、簡易PSG検査による分析により、OSA群と非OSA群との間に統計的有意差が認められるかについては、矯正治療が終了した患児が少ないため統計処理できる段階には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに構築した、頭部エックス線規格写真、口腔模型、簡易PSG検査から得られるデータベースについて、対象を引き続き増やすことが急務と思われる。矯正治療の期間が比較的長い、あるいは長期化する患児が予見できるが、これまでの計測で問題はないと考えられる。 矯正装置による拡大が終了した後も拡大しないで装置の装用をつづけるが、この装用のみの観察期間は1年とするため、研究の長期化が予想される。しかし、対象となる患児は発育途上にあるため、治療後の成長により効果が持続するか、あるいは減少するかという長期的観察報告はこれまでに無く、さらに臨床効果の持続性を確認する観点からも重要と考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画した咬合力計が製造中止となり、当該機器の金額が繰り越された。さらに、データの集積が比較的緩徐なため、当面は既存設備の装置でデータを蓄積し、解析ソフトの対応OSがアップデートする時期に合わせてデータ解析保存装置を購入することを判断したため、当該機器の金額が繰り越された。なお、本予算で携帯型睡眠検査装置2台を運用すると故障時のバックアップができなくなるために、1台とレンタルによる運用に切り替えたため当該機器の金額が繰り越された。
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次年度使用額の使用計画 |
解析ソフトの対応OSがアップデートしたことを確認した上で、平成27年にデータ解析保存装置を購入する。携帯型睡眠検査装置については今後レンタル費用が生じるが、次年度使用額の予算ををこれに充てる。
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