本研究の目的は、シトルリン化プロファイリングによって歯周炎と関節リウマチ(RA)の共通発症機序を検証することである。歯周病原菌Porphyromonas gingivalisのシトルリン化変換酵素(PPAD)に対する血清抗体反応は非RA患者と比べてRA患者群で亢進し、抗環状シトルリンペプチド(CCP)抗体発現と相関した。また、抗PPAD血清抗体反応が低いRA患者は、高いRA患者と比べて生物学的リウマチ薬(bDMARD)投与後のRA活動度や抗CCP抗体発現が改善した。以上から、抗PPAD血清抗体反応はシトルリン化やRAと関連し、RA患者のbDMARD反応性も制御する可能性が示唆された。
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