研究課題/領域番号 |
26463134
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 直史 岡山大学, 大学病院, 講師 (50432662)
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研究分担者 |
高柴 正悟 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
畑中 加珠 岡山大学, 大学病院, 医員 (50362992)
下江 正幸 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60580264)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インテグリン / 細胞遊走 / 歯根膜 / 歯周組織 |
研究実績の概要 |
歯周組織の創傷治癒と再生には,歯根膜細胞の遊走が重要である。細胞遊走は,成長因子のみならず細胞外基質とインテグリン/細胞骨格系間の作用によっても制御を受けるため,インテグリン発現の選択的制御は細胞遊走の促進に繋がる可能性がある。したがって,本年度では歯根膜細胞の遊走を制御するインテグリンサブユニットの発現調節による細胞遊走への効果を調べ,以下の結果を得た。 1. 前年度に同定した,PDGF誘導性の細胞遊走時に発現するインテグリンサブユニットのうち,alpha3とalpha5の遺伝子発現量が高かった。また,それらの蛋白発現は細胞内で異なる発現局在を示した。 2. インテグリンalpha3とalpha5の中和抗体は相反する効果を示した。すなわち,alpha3中和抗体は遊走を促進的に,alpha5中和抗体は抑制的に作用した。 3. さらに,インテグリンalpha3阻害ペプチドは歯根膜細胞の遊走を顕著に促進した。一方,歯肉上皮細胞株(Ca9-22)の遊走には影響を与えなかった。 以上の結果から,インテグリンalpha3は歯根膜細胞の遊走を抑制し,インテグリンalpha5は遊走を促進することが明らかになった。インテグリンalpha3の発現抑制は,歯根膜細胞の遊走促進に応用できると考えられる。
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