研究課題/領域番号 |
26463137
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 隆男 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80507781)
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研究分担者 |
西村 英紀 九州大学, 歯学研究院, 教授 (80208222)
讃井 彰一 九州大学, 大学病院, 講師 (70507780)
武富 孝治 久留米大学, 医学部, 助教 (10553290)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アメロジェニン / マクロファージ / 歯周組織 |
研究実績の概要 |
現在、歯周組織再生治療薬、エムドゲインは広く臨床応用されており、その90%以上はエナメル基質タンパク質のアメロジェニンにより構成されている。これまでにアメロジェニン単味での歯周組織再生効果や抗炎症効果が報告されているが、長年アメロジェニンに関する研究が行われてきたにも関わらず、歯周組織再生の出発点である炎症反応に関する分子基盤及びシグナル伝達メカニズムの詳細な機序は解明されていない。 そこで、本研究ではアメロジェニンの免疫応答に及ぼす影響を解明するために、ヒト単球様細胞株U937をPMAによりマクロファージ分化させた細胞を用いて、LPS誘導性炎症に対するアメロジェニンの効果について検討した。 はじめに、アメロジェニンがU937に与える影響を検討するためマイクロアレイ解析を行った結果、LPS存在下でのアメロジェニン刺激後4時間で炎症関連遺伝子群が亢進し、24時間では抗炎症関連遺伝子群が亢進した。 アメロジェニン刺激後48時間において抗炎症性タンパク質発現が増加していたことから、M1(炎症誘導型 / M2(創傷治癒型)マクロファージの表現系について解析を行った。その結果、アメロジェニン刺激後にM1マーカー(CD86、iNOS)の発現が抑制され、細胞外形の紡錘形変化を伴ってM2マーカー(CD163、CD206)の発現が亢進した。さらに、アメロジェニン刺激後にPGE2の発現亢進とともに、そのレセプターであるEP2/4の発現が亢進した。加えて、EP2/4下流のシグナル伝達経路であるcAMPの産生亢進とp-CREBが活性化した。 以上の結果より、マクロファージを用いたLPS誘導性炎症に対するアメロジェニンの効果は、LPS誘導性の炎症を早期に収束させることにより組織修復フェーズへ移行する期間を短縮し、M2マクロファージに分化が促進することで、歯周組織再生を誘導する可能性が示唆された。
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