研究課題/領域番号 |
26463139
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長谷川 梢 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00404492)
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研究分担者 |
中村 利明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60381183)
町頭 三保 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80253897)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯周病 / 早産・低体重児出産 / porphyromonas gingivalis |
研究実績の概要 |
本研究は、口腔内環境が関連する早産・低体重児出産のリスク因子の低減のため、その原因因子としての病原因子、宿主因子の解析を行うことで、口腔内環境の改善が出産のリスクの低減に及ぼす可能性を明らかにすることである。 昨年度の結果から今年度は、ICRマウスを用い解析を行った。Porphyromona gingivalis (Pg) あるいは、Fusobacterium nucleatum(Fn)を妊娠初期あるいは妊娠後期に静脈投与し、その結果を検討した。その結果、Pg(n=4)の妊娠初期の投与では、投与マウスの胎児の体重有意に小さく、胎盤のPg検出ほとんどされないが、炎症性物質の遺伝子発現高いこと、Pgの妊娠後期の投与では、投与マウスの胎児の体重有意に小さく、胎盤のPg 検出が9割近くあるが、炎症性物質の遺伝子発現差は無い、という結果を得た。Fn(n=2)の投与では、妊娠初期、後期投与ともに、子供の体重は有意に小さく、胎盤のFn検出3割程度で、炎症性物質の遺伝子発現高い傾向があった。このことから、歯周病原細菌の妊娠期の感染は、歯周病原細菌の種類や感染時期により出産に影響が異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している感染実験の実験系は確立でき、データ分析も順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、Fn単独感染の匹数を増やしており、加えてPg Fn複合感染も行っている。さらには、組織切片での観察や血清分析、胎児の成長に関わる物質(IGF2)検討も予定しているため、今後の研究も順調に進められると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会発表ができなかったため、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度に、学会発表を行う予定であり、その費用として計上する予定である。
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