研究実績の概要 |
1. ApoEshlマウスへのA. a.感染は4-hydoroxynonealやox-LDL, phospholipase A2の大動脈組織での発現増加、血清中のox-LDL, 8-oxo-2’-deoxyguanosineおよびmyeloperoxidaseレベルの増加、NADPHオキシダーゼ、calveolin-1, receptor for advanced glycation endoproducts の大動脈での遺伝子発現増加等の結果から、LDL酸化を促進した。P. g. においてもまたLDLの酸化変性増強作用(4HNE, ox-LDL, PLA2, MPO, CD36の大動脈組織での発現増加や心臓組織におけるLOX-1やNADPHオキシダーゼの発現増強)が認められた。In vitro実験において、P. g.及びP. g. LPSは菌数依存的に単球及び血管内皮細胞からの活性酸素(ROS)産生を増強した。 更に、P.g.は抗ox-LDL抗体と反応することが確認され、この反応性はジンジパイン阻害剤やジンジパイン欠損株で有意に抑制された。従って、P.g.はox-LDLと共通エピトープを有し、P. g.による直接の酸化作用のみならず、分子相同性による炎症増強にも関与している可能性が示唆された。 2. 酸化LDL刺激未熟樹状細胞の確立と制御性T細胞への誘導を試みるべく、骨髄から単離した未熟樹状細胞を酸化LDLと共にマウスへ移入した。移入後、2, 4, 6, 8, 10日目にレシピエントマウス脾臓からCD4+T細胞を単離し、CD25+Foxp3+陽性率を検討した結果、8日目で最大となった為、移入8日目のCD4+CD25+Foxp3+ T細胞を実験に供した。現在、CD4+CD25+Foxp3+ T細胞の増殖能や抗原特異性を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯周病原性細菌P. ginigivalis(P. g.)の経口感染は、種々のインフラマソーム(NLRP3, ASC, Caspase-1)を活性化して炎症性サイトカイン産生を誘導し、その結果Th17細胞の誘発、IL-17の増強により慢性炎症が持続する可能性が示唆された。またApoEshlマウスへのP. g.又はA. a.感染はLDLの酸化変性増強作用(4HNE, ox-LDL, PLA2, MPO, CD36の大動脈組織での発現増加や心臓組織におけるLOX-1やNADPHオキシダーゼの発現増強)を誘導した。In vitro実験において、P. g.及びP. g. LPSは菌数依存的に単球及び血管内皮細胞からの活性酸素(ROS)産生を増強した。更に、P.g.はox-LDLと共通エピトープを有し、P. g.による直接の酸化作用のみならず、分子相同性による炎症増強にも関与している可能性が示唆された。
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