研究課題/領域番号 |
26463151
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
小越 菜保子 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (60509115)
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研究分担者 |
大山 秀樹 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90280685)
黒田 義弘 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (90093236)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | IL-22 / 歯周病細菌 / 抗菌ペプチド |
研究実績の概要 |
歯周病細菌は歯周組織の細胞内に侵入,増殖し,歯周病の進行と慢性化に深く関わると考えられている。本研究の目的は抗菌ペプチド産生を誘導するIL-22に着目し,それらの細菌感染に対する防御に及ぼす影響を明らかにすることである。本年度はIL-22が抗菌ペプチド産生に及ぼす影響を評価した。IL-22が消化管や気道,皮膚といった外界に接する組織の上皮細胞に対して抗菌ペプチド産生を誘導することは明らかにされている。歯周組織において我々はこれまでに歯肉上皮細胞および歯肉線維芽細胞がIL-22レセプターを高発現していることを見出してきたことから,これらの細胞においてIL-22によって誘導される抗菌ペプチドを広く調べた。抗菌ペプチドとしては,カルプロテクチン(S100A8/A9),ディフェンシン,RegIII γ, リポカリン2 ( LCN2 ) について調べた。IL-22刺激後,これらの抗菌ペプチドの遺伝子発現をリアルタイムRT-PCRで,タンパク発現をウエスタンブロットで評価した。その結果,歯肉上皮細胞および歯肉線維芽細胞においてLCN2の発現レベルがIL-22によって強く誘導されることが明らかになった。LCN2は一部の細菌に対して鉄の取り込みを妨げることによって腸内細菌叢を変えるという報告がある。歯周病細菌感染においても重要な役割を果たしている可能性があることから,さらに詳細な解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は研究代表者が異動したため、研究体制を整えるのに時間を要した。そのため,当初の計画であったIL-22によって誘導される抗菌ペプチド産生性の解析がやや遅れている。また,歯周病細菌の細胞内侵入に関する実験系もまだ確立できていない。
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今後の研究の推進方策 |
IL-22が歯肉上皮細胞および歯肉線維芽細胞の抗菌ペプチド産生性に及ぼす影響をさらに幅広く詳細に評価する必要がある。また、これらの細胞に対する歯周病細菌の細胞内侵入性にIL-22が及ぼす影響を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は当初予定より研究が進まなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に引き続きIL-22が抗菌ペプチド産生に及ぼす影響を評価するために主に抗体などの試薬の購入に充てる。
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