研究課題
昨年度に使用を予定していたメタボローム解析装置に不具合が起き、遅延を余儀なくされた研究内容について、当該年度に繰り越して行った。本年も、機器の不具合の解消及び復旧後の動作確認に手間取ったため、作業がやや遅延気味に進んだが、現在までに、Porphyromonas gingivalisのアミノ酸代謝に関するメタボローム解析を行うことができ、データを得ている。嫌気・好気などの環境因子の変化によって、検出される代謝産物に大きな違いが観察された。特に嫌気と好気では、大きな違いが観察され、酸素の有無で代謝経路が異なることが示唆された。一方、好気環境に置いても代謝産物の経時変化が見られたことにより、Porphyromonas gingivalisのような嫌気性菌でも、何かしらの代謝活動を酸素存在下でもしうることが示唆された。これらの代謝の詳細については、さらなる検討が必要であると思われた。また、アンモニアなど、歯周疾患の発症に関連しそうな最終代謝産物の量についても、環境因子の変化により違いが見られたことから、臨床的に局所の環境因子をコントロールすることができれば、疾病のリスクを減らせる可能性があることが、示唆される。また、薬剤による代謝の影響についても一部検討した。公表前の為、詳細は記載できないが、フッ化物などが、代謝に影響している可能性が示唆されている。将来展開として、あわせて解明を進めていきたいと考えている。
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Sci Rep.
巻: 7 ページ: 10092
10.1038/s41598-017-10893-y.