代表的な齲蝕原性菌の1つであるStreptococcus sobrinusは非常に高い非水溶性グルカン合成能を持つ。この能力はこの菌が齲蝕を誘発する上で特に重要である。今回、この菌の非水溶性グルカン合成酵素をコードするgtfI遺伝子に注目し、実際に口腔内から分離したS. sobrinusについてgtfI遺伝子の変異と非水溶性グルカン合成能との対応を検討した。その結果、gtfI遺伝子の3'末端側にあるデキストラン結合部位で比較的多くのミスセンス変異が見られ、またその中の1つの変異をもつ菌株で特に高い非水溶性グルカン合成能が認められた。
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