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2015 年度 実施状況報告書

唾液を用いた歯周組織の炎症状態の客観的診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26463164
研究機関徳島大学

研究代表者

福井 誠  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (50325289)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯肉炎 / 唾液 / 生理活性物質
研究実績の概要

H27年度は少人数を対象とした歯周臨床データと唾液中生理活性物質の測定を行った。対象者は全身疾患を有しない男女で,徳島大学の学生からボランティアを募って研究対象者とした。被験希望者に対して申請者より研究の詳細を説明し,書面でインフォームドコンセントを得た者に全身ならびに口腔内の健康状態に関する問診を行った後,口腔内診査による歯周臨床データと唾液の採取を行った。歯周臨床データとして、口腔内に存在する全歯について1歯6点の歯周ポケットプロービング診査を行い,歯周ポケット深さ歯肉退縮量をCPIプローベで測定した後,Bleeding on probing(BOP)を記録した。臨床検体として、唾液と歯肉溝液を採取した。唾液は洗口吐出液およびサリベットコットンによる刺激唾液を採取した。なお,対象者の口腔内環境を可能な限り同条件に揃えるため,検体採取60分前に水道水で強めの含嗽を実施させ,対象者の口腔内環境を一斉にリセットさせてから60分後に検体採取を行った。検体は,まず歯肉溝液を採取し,次にサリベットコットンによる刺激唾液を採取した後,洗口吐出液を採取した。対象者の上下顎の左右第一小臼歯間(4~┻~4,4~┳~4)の唇側から歯肉溝液を回収し,バイオマーカー(α-1アンチトリプシン,ラクトフェリン)濃度を測定した。洗口吐出液は3 mlの蒸留水を口に含ませ,10秒間軽く洗口させて口腔内表面を被覆する唾液を洗い出し,回収容器に吐出させ,洗口液中の遊離ヘモグロビン濃度および乳酸脱水素濃度を測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度に予定していた少人数を対象としたサンプル採取,歯周組織測定の実施を行った。徳島大学学生からボランティアを募って研究対象者とし,唾液サンプルおよび歯肉溝液サンプルを採取するための最適条件を定め,サンプル採取と歯周組織検査を行い,外部委託による生理活性物質の測定を行う体制が整った。平成27年度に研究実施体制を整えることが出来たため,最終年度の研究遂行が滞りなく行われるものと思われる。

今後の研究の推進方策

平成28年度
対象者の増加と介入による歯肉炎症状態の変化と唾液中生理活性物質濃度の変化の分析
1)研究対象 対象者は全身疾患を有しない,徳島大学の学生および教職員から男女各25名,合計50名のボランティアを募る。平成27年度同様に被験希望者に対して申請者より研究の詳細を説明し,書面でインフォームドコンセントを得た者に全身ならびに口腔内の健康状態に関する問診を行った後,唾液の採取と口腔内診査による歯周臨床データの採取を行う。なお,平成27年度に得られたデータをもとに唾液採取方法や検査項目を絞り込んだ調査を行う。
2)介入による歯肉炎症状態の変化と唾液中生理活性物質の変化の分析 一部の歯肉炎罹患者において,了承が得られた者には介入として歯科医師による専門的歯面清掃を実施し,歯肉の炎症が消失後に歯周臨床データ採取および唾液検査を行う。このことにより,介入による歯肉の変化における歯周臨床データと唾液検査値の変化を分析する。
これらの内容について研究を推進することにより,歯肉健常者・歯肉炎罹患者に特有の唾液検査値の基準値を明らかにし,唾液による歯周組織の炎症状態の客観的診断法の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していたマルチプレックスシステムによる唾液サイトカイン測定は,測定に当たり必要とする対象サンプル数が規定に達していなかったため,本年度行われていない。そのため,当該測定に関する物品費が使用されておらず,次年度持ち越しとなった。

次年度使用額の使用計画

次年度には早々に対象者を募り,本年度行う予定だったサイトカイン測定を行うとともに,さらに対象者を増やして測定を行う。そのため,必要となる試薬類や各種プラスティック器具類などの研究遂行に必要となる物品の購入に充てる予定である。また,研究成果の発表や情報収集のため,学会参加を予定しており,このための旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Influence of infection with Porphyromonas gingivalis on relationship between atherosclerosis and anti-phosphorylcholine antibody2015

    • 著者名/発表者名
      Makoto Fukui, Rita Orihuela-Campos, Naofumi Tamaki and Hiro-O Ito
    • 学会等名
      第44回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [学会発表] Atherosclerosis-preventive activity of anti-phosphorylcholine antibody may be interfered by infection with Porphyromonas gingivalis : The Nagasaki Islands study.2015

    • 著者名/発表者名
      Makoto Fukui, Kaname Miki, Masayasu Kitamura, Hideaki Hayashida, Koji Kawasaki, Rita Cristina Orihuela-Campos, Naofumi Tamaki, Takahiro Maeda, Toshiyuki Saito and Hiro-O Ito.
    • 学会等名
      第63回国際歯科研究学会 日本部会(JADR)学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
  • [学会発表] “標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル”に基づいた歯科保健事業の効果について2015

    • 著者名/発表者名
      福井 誠,岡田 寿朗,豊嶋 健治,三木 かなめ,玉木 直文,伊藤 博夫
    • 学会等名
      第64回日本口腔衛生学会・総会
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2015-05-27 – 2015-05-29

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公開日: 2017-01-06  

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