我々はヒト歯垢細菌による動脈硬化誘発機序を解明するために、ヒトの口腔から直接採取した口腔細菌の混合物でヒト動脈内皮細胞を刺激した時のヒト歯垢細菌のヒト動脈内皮細胞への侵入能、ヒト動脈内皮細胞におけるヒト歯垢細菌を認識する受容体(パターン認識受容体)およびサイトカイン(IL-6、IL-8、MCP-1)の産生を検討した。 ヒト歯垢細菌は内皮細胞への侵入能力を持ち、菌が侵入した内皮細胞では菌を認識する受容体およびサイトカインの発現が増加した。以上より、ヒト歯垢細菌はヒト動脈内皮細胞に侵入して炎症反応を誘導することで動脈硬化発症に関与している可能性が示唆された。
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