研究課題/領域番号 |
26463174
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
深井 穫博 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (60538768)
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研究分担者 |
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (90103085)
瀧口 徹 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 教授 (80115047)
安藤 雄一 国立保健医療科学院, 統括研究官 (80168046)
青山 旬 神奈川歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70192870) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔保健 / 現在歯数 / 機能歯数 / 生命予後 / 地域住民 / コホート調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,2005年に報告した沖縄県宮古島市在住の40歳以上5,700名規模の地域住民を対象に行った15年コホート調査結果(1987年~2002年)を基に,その追跡期間を2015年まで延長し歯の保存状況と生命予後との関連について明らかにすることである.併せて,現存者の口腔内状況および健康状態を調査し,ベースライン時からの変化と生存との関係を検討することである. 方法は,調査期間の生存状況の確認を厚生労働大臣への人口動態調査に関る調査票情報の提供申出後承認され得られた死亡票,死亡個票,および許可された死亡小票の閲覧と転記作業によって得られた情報から分析した.最終年度の本年度は,生存状況について聞き取り調査等によりその精度を高めた.現存者の口腔内状況については,昨年度までに得られたベースライン対象者を含む65歳以上の住民歯科健診結果を基に,ベースライン時との比較を行った. 15年コホート結果では,機能歯数と生命予後との関連は,男性に顕著であったのに対して女性においてはその関連は明確ではなかった.それに対して今回の調査でKaplan-Meier法およびCox比例ハザード解析を用いて分析した結果,男性における関連は,15年コホート結果に比べてより強く認められた.加えて女性においても機能歯数の減少が寿命を有意に短縮することが明らかになった.死亡原因について検討した結果,女性において機能歯数が少ない群は多い群に比べて有意に肺炎による死亡が有意に高い割合を示した. 以上の結果から,歯の保存状況が生命予後に及ぼす影響は,その期間が男女で異なるもののいずれにおいてもその関連は有意であり,歯の喪失は寿命を短縮するリスクファクターの一つである.したがって,地域住民の歯の保存状況を把握し政策的に歯の喪失予防を図ることは寿命延伸に寄与する.
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