本研究では歯学部付属病院のインシデントレポートを比較分析し、歯科医療事故の発生率や特徴を分析した。2004年度と2012年度のインシデントレポートを集計した結果、有害事象が発生した割合は2004年度が14.7%、2012年度は30.3%と増加していた。さらに複数の要因が重なったときの有害事象の発生率を求めた結果、経験5年以上の歯科医師について12-13時及び16-17時の発生率が約75%、経験5年未満の歯科医師では男性かつ12-14時の間で100%、研修医においては月の第1週目において78%と高くなっていた。今後,歯科医師の経験や勤務形態によって研修や対策方法を講じていく必要がある。
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