乾燥症は涙・唾液を出す分泌腺の機能不全が原因であったとしても、そのことで乾燥した粘膜表面は傷つき、粘膜下の感覚神経を損傷させることで基礎分泌を促す感覚情報が減少する脱感作現象が指摘され、この脱感作を解除する手法の確立が望まれている。本課題の遂行により、粘膜損傷により増加するTRPV1 Channelが、粘膜表面の乾燥状態をモニタリングしている神経線維の活動を有意に抑制することが明らかとなり、TRPV1 とTRPM8 Channelの干渉が同一細胞内で生じ、そのことが脱感作を起こしていると考えられる。このTRPV1 Channelの活動の制御が新たな乾燥症の治療に活かされることが期待される。
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