研究課題/領域番号 |
26463182
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
船山 さおり 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30422611)
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研究分担者 |
伊藤 加代子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80401735)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自発性異常味覚 / 苦味 / 味覚異常 / マグネシウム |
研究実績の概要 |
研究計画概略:最初に健常者を対象としたデータ収集を行った。続いて自発性異常味覚患者の唾液・血液・味覚検査等のデータ収集を行い、得られた結果を元に2群間の比較検討を行った。 方法:健常者データを19名(女性11名、男性8名、23~44歳)より収集した。さらに外来患者データとして9名(女性、50~81歳)より収集した。収集した内容は、自記式の検査表(GHQ30、SDS)による精神健康度およびうつ度、既往歴、服用薬剤、口の中の苦味の有無および苦味をマスクする含嗽テストへの反応、唾液分泌量および唾液中のコルチゾール・クロモグラニンA・マグネシウム、血中のマグネシウム・鉄・ビタミンB12・亜鉛・銅、歯肉からの排膿の有無、テーストディスクによる味覚評価、である。 結果(考察):唾液中のマグネシウムは、患者群で高い傾向があったが、有意差までは認められなかった。しかしながら、突出して高い者が2名いたことにより、苦味を生じている原因が唾液中のマグネシウムである可能性が示唆された。血中のマグネシウムには群間の有意差を認めなかったことから、唾液中のマグネシウムが高くなる理由をさらに考えていく必要がある。また、服用薬剤を調べた結果、患者群の服用薬剤中に、添付文書に味覚異常との記載のあるものが含まれていた者が9名中7名と高頻度に認められた。従って、自発性異常味覚の苦味の一因として、薬剤が原因となっている可能性が考えられた。唾液中のストレス関連要素であるコルチゾールとクロモグラニンAには群間に有意差を認めなかったが、自記式の調査票による精神神経症状のトータルスコアは有意に患者群が高かった。この双方の結果の乖離については、さらに客観的データを加えて検証する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自発性異常味覚患者の受診が少なく、なかなかデータを増やすことができていない。 そのほかは順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
患者データがなかなか取れないので、患者データを追加して、N数を増やして検証を加えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ測定に関しては委託しているが、患者データが当初予定よりも少なかったため、その分の差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、患者データ採取は予定していなかったが、引き続き、可能な限りデータ収集し、その際に差額を消費する予定である。
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