研究課題/領域番号 |
26463184
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鳥井 康弘 岡山大学, 大学病院, 教授 (10188831)
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研究分担者 |
白井 肇 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263591)
吉田 登志子 岡山大学, 医療教育統合開発センター, 助教 (10304320)
鈴木 康司 岡山大学, 大学病院, 助教 (30304322)
河野 隆幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (80284074)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電子ポートフォリオ / テキストマイニング / ナレッジデーターベース / 歯科医師臨床研修 |
研究実績の概要 |
岡山大学病院では, 18年度から研修歯科医に総合歯科診療室での個々の診療ごとに内容を電子ポートフォリオ入力させ、教育に応用してきた。そこで、これらの内容を分類し,整理した上でナレッジデータベース化することが本研究の目的である。本年度(平成27年度)は、新しく得られた平成26年度のデータを加え、種々雑多な内容を含むテキストデータを整理して、ナレッジデータとして扱えるものを抽出、整理した。 まず、平成26年度に分析・集計した平成18年~25年度までに研修歯科医が入力したテキストデータ総数34992に新たな平成26年度のデータ4288を加えたところ、処置別内訳は保存修復処置が4373件、歯内療法が3566件、歯周治療が13574件、クラウン,ブリッジによる補綴処置が4526件、義歯補綴処置が5420件と大幅に増加した。さらに、平成26年度分も加え平成18年度からの9年間に記載されたこれらのテキストデータ内容を一つずつ、歯科保存治療系、補綴歯科治療系、コミュニケーション系を専門とする共同研究者全員で詳細に監査・吟味して、知的データベースとして収録するに価値あると判断できるものを抽出した。 その結果、保存修復処置が71件、歯内療法が101件、歯周治療が153件、クラウン・ブリッジによる補綴処置が146件、義歯補綴処置が92件抽出された。テキストデータ内容をさらに詳細に分類すると、保存修復では、レジン修復が37件、メタルインレー修復が17件、歯内療法では抜髄が21件、感染根管処置が30件、拡大・貼薬が26件、根管充填が18件で、歯周処置では歯周組織検査が13件、スケーリング・SRP・SPT処置が112件、歯周外科処置が13件となった。また、クラウン補綴が104件、ブリッジ補綴が42件、総義歯補綴が45件、部分床義歯補綴が46件であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
岡山大学病院総合歯科で使用している電子ポートフォリオに記載されたテキストデータを抽出して分析してきたが、本年度(平成27年度)はさらに新しく収集した平成26年度分を追加し、大幅に増加したデータを共同研究者全員で記載内容を監査・吟味し、知的データベースとして価値あるものを抽出した。しかし、個々のデータの内容は初心者である研修歯科医には理解しづらくそのままでは活用できないものも多いため、抽出した内容データにそれぞれの歯科治療の専門家による追記、修正が必要となる。本年度は、これらのデータの内容を熟読し吟味するという非常に手間がかかる作業を行ったため、若干遅れている部分はあるものの、すでに一部では内容の詳細な吟味を行った上での修正・追記も行っており次年度も同様の作業を継続する必要はあるが、次年度(平成28年度)のデータベース構築への基本データ収集という本年度の目的は、概ね達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の平成28年度は本研究の最終年度であり、知的データベースの構築および検索システムを作製してシステムを立ち上げる。 抽出された電子ポートフォリオに記載された個々のテキストデータはそのままでは初心者である研修歯科医には理解しづらく活用できないものも多いため、抽出した内容データをそれぞれの歯科治療の専門家による追記、修正も必要となる。平成27年度に一部では実施しているが、28年度もそのまま継続して実施しブラッシュアップして価値ある知的データとする。また、27年度の研修歯科医が入力した最近データも取りまとめることができる時期になったので追加・分析していく予定である。 さらに、これらの構築した知的データベースの各項目を処置内容から検索し、オンデマンドで必要な情報を得ることができるシステムを開発し、運用する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、電子ポートフォリオから抽出したデータ内容を一つずつ監査・吟味していくという大変労力を必要とする作業を行った。しかし、予算的には、備品を必要とせず消耗品がほとんどで必要経費はさほど高額にはならなかった。一方、最終年度である平成28年度は、構築した知的データベースの各項目を処置内容から検索し、オンデマンドで必要な情報を得ることができるシステムを開発するためには費用が必要になる。また、現時点では明確ではないがこれらのシステムを運用するためにはハード部分の充実が必要となる可能性も予想される。そのために次年度使用額を幾分残すようにした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、使用計画を次のように立てている。1)構築した知的データベースの各項目を処置内容の監査と修正・追記(記憶メディア等)、2)オンデマンドで知的ベータベースから必要な情報を得ることができるシステムを開発するための経費、3)システムを運用するためのハード部分の充実経費(必要な場合)などである。
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