研究実績の概要 |
1.地域文化(異文化)的背景と患者. 家族のコミュニケションについての調査と分析 広島県内で往診歯科診療や口腔ケアでの豊富な体験を有する歯科医師, 歯科衛生士を対象に、半構造化インタビューを実施し、そのデータから地域文化(異文化)的背景と患者. 家族のコミュニケションの特徴やスタイルについて分析中である。 2.ナラティブなSPシナリオの作成と語りの演技のできるSPの養成並びに授業への応用実施 中国地区で活動するSPを対象に、H26年度中四国模擬患者スキルアップセミナー (平成26年11月22日、地域医療人育成センターおかやまMUSCATホール、岡山市)、並びにひろしま模擬患者セミナー・交流会2015(平成27年2月21日、広島大学霞病院 臨床管理会議室、広島市)をそれぞれ開催し、ナラティブなSPシナリオの作成と語りの演技のスキルアップに取り組んだ。 作成したシナリオを用いてのSPシミュレーション教育を本学歯学科授業(4年・5年)並びに研修歯科医の医療面接トレーニングで実施し, その教育効果や症例シナリオとSPの語りの演技による医療コミュニケーションの教育効果についての検証を行っているところである。また、一部の英訳したシナリオを用い、インドネシア、ベトナムからの留学生へのSPシミュレーションを実施したが、我が国と留学生母国との医療制度や経済・文化・地域的背景が異なるため、我が国における患者のナラティブなシナリオを翻訳して用いるほかに、留学生それぞれの母国の背景を加味したナラティブなシナリオの作成が必要であることがわかった。そのため、それぞれの母国の大学教員にシナリオの作成を依頼しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
1.地域文化(異文化)的背景と患者. 家族のコミュニケションについての調査と分析 平成26年度に引き続き、広島県内で往診歯科診療や口腔ケアでの豊富な体験を有する歯科医師, 歯科衛生士を対象に, 歯科医療者が初めて交流する地域文化(異文化)的背景と患者. 家族のコミュニケションの特徴やスタイルについての半構造化インタビューを行い、その聴取内容を言語化し、分析を行う。 2.ナラティブなSPシナリオの作成と語りのできるSPの養成並びに授業とトレーニングへの応用実施 平成26年度に引き続き、連携口腔ケアや摂食嚥下指導. 栄養サポートの必要な患者やその家族の地域文化(異文化)的背景(意味), 時間軸,社会性とのかかわりなどのナラティブ的側面から書き起こし, 患者. 家族それぞれの生活や人生を物語る記述とする。邦人SPにおいては, 社会言語学専門の研究協力者の指導を得て, 地域(文化)背景に見合う使用言語を検討し, 方言, 地域語などの慣用言語やフレーズの構成を吟味する。また, 英語の語りを担当する邦人のSP候補者には, 日英両語で記載したシナリオと参考資料を準備するが, その英語表現については, 研究分担者とネイティブスピーカーの助言を得て行う。これらのシナリオと語りのできるSPを活用し、歯学部地域歯科医療学の授業(歯学科4年. 5年生)並びに研修歯科医のSPトレーニングで実施し, その症例シナリオとSPの語りの演技による教育効果について、会話記録や学習者の振り返り記録を用いて分析する。 遠隔テレビ対面式シミュレーションシステムの構築については、完成したナラティブなSPシナリオと語りの演技のできるSPの協力を得て, 遠隔地でのテレビ対面式SPシミュレーションを開発し, 遠隔地における教育システムの構築について検討する。
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