研究課題/領域番号 |
26463188
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
清水 孝治 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40440937)
|
研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
橋口 千琴 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (10596860)
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80264448)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 口腔乾燥症 |
研究実績の概要 |
本研究では,口腔乾燥のハイリスク集団である顎欠損患者を対象に,口腔乾燥義歯患者における咀嚼能力と口腔水分量との関連を検証する目的で,上顎欠損患者の口腔粘膜の水分量とこれに関連する要因を検討するとともに口腔乾燥と咀嚼能率に関係する咬合支持との関係について検討を行った. 口腔水分量を計測し,29%未満を口腔乾燥とした.患者の年齢,性別,服薬の種類と有無,放射線治療の有無と照射線量,頸部郭清術の有無,残存歯数,咬合支持の様式と有無,顎欠損についても調査を行い,これらと計測した舌粘膜の水分量との関係について検討を行った.咬合支持の有無はEichner分類を用いてA群とB1からB3までを咬合支持あり,B4とC群を咬合支持なしとし,顎欠損の分類は,Aramannyの分類を利用して,顎欠損が片側に限局しているもの(クラス2)とそれ以外のもの(クラス1,3-6)に大別した.口腔乾燥に影響を及ぼす要因を調査するため,尤度比検定を行った結果,放射線治療の有無,頸部郭清術の有無,顎欠損の形態の違いの3項目が有意な変数として検出された.そこで,これら3項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行い,口腔乾燥に関連する要因を調査した結果,危険率5%で,放射線療法の有無,頚部郭性術の有無が口腔乾燥と有意に関連する項目であることが示された.放射線治療と頚部郭清のいずれか,または両方がある群とこれらのない群における水分量は,両群間に有意差を認めた.口腔水分量と残存歯数,顎欠損の形態,咬合支持との関係を調査した結果,放射線治療と頚部郭清のいずれか,または両方がある群では,これらの要因と相関は認められなかったが,放射線治療および頚部郭清なし群では,水分量は咬合支持と強い相関を認めた.
|