研究課題/領域番号 |
26463189
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
麻賀 多美代 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30165691)
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研究分担者 |
大川 由一 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (20211097)
吉田 直美 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50282760)
麻生 智子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80248848)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マッサージ / 脳血管疾患 / 後遺症 / 片麻痺 / リラクゼーション / 血流量 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、口腔のマッサージによる口腔機能の賦活とリラクゼーション効果を実証することである。当該研究は、障害者の更生施設に入所する者を対象に調査を行った。対象は脳血管疾患後の後遺症である片麻痺を有する者で、右麻痺7名、左麻痺6名の計13名であり、疾患の内訳は脳梗塞が6名、脳出血が5名、くも膜下出血が2名であった。 本調査では、口腔に生じる麻痺の状況をこよりを用いた簡易な方法で評価し、健側と麻痺側の口腔内のマッサージ前後の生理的変化と心理的変化を検討した。前年度までの調査では、対象者をユニット上で仰臥位の状態でマッサージを実施し、マッサージ前後の即時効果について検討してきた。本調査は、対象者が入所する更生施設内の一室において実施したため、対象者にはヘッドレスト付きの簡易椅子に座位の状態でマッサージを実施しマッサージの前後の効果を検討した。 麻痺の感覚評価は健側を10とした時の麻痺側の感覚を0~10で評価してもらった結果、顔面頬部と頬粘膜の感覚が鈍く、次に舌、口唇の順であった。マッサージの効果を検証するために、マッサージの前後に血圧、脈拍、R-R間隔、皮膚・粘膜温、血流量、開口量、唾液アミラーゼ、舌圧、口腔水分量、オーラルディアドコキネシスを測定した。 マッサージ前の顔面頬部の体温は麻痺側が健側に比べ有意に低く、麻痺側顔面頬部の血流量はマッサージ前後で有意に増加した。また、収縮期の血圧については低下傾向がみられたものの、脈拍、R-R間隔、唾液アミラーゼについては有意な変化がみられず、リラクゼーションの効果はみられなかった。口腔機能では、オーラルディアドコキネシスの「カ」が有意に増加した。舌圧、口腔水分量に変化はみられなかったが、開口量についてはマッサージ後に有意に増加がみられた。
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