今後の研究の推進方策 |
炎症性サイトカインに対する抗体(抗IL-6抗体・抗TNF-α抗体)の口腔カンジダ症に対する増悪効果:メス4週令のICRマウスに抗IL-6抗体・抗TNF-α抗体を1日1回 10, 50, 100, 200, 400 μg の投与量で腹腔注射する。投与は 3, 6, 9, 12日間連続しておこなう。それぞれの投与日数経過後に C. albicans 菌液 (2.5×10000000/ml) に浸した綿棒でマウスの口腔内を拭って口腔内に菌を定着させる。感染5日後まで経日的にマウスの頚椎を脱臼させてから、舌と肺を摘出する。マウスは1実験群につき5匹使用する。供試する C. albicans は、申請者が高齢者の口腔内から分離・保存したもので、マウスの実験的口腔カンジダ症を起こすことを確認している。 ①口腔内の C. albicans 菌数のリアルタイムPCRによる測定:口腔内を滅菌生理食塩水に浸した滅菌綿棒で拭い、綿棒を生理食塩水に浸して撹拌させる。その液を使用してリアルタイムPCRをおこなって、C. albicans の菌量を測定する。 ②マウスの口腔内の観察:マウスの口腔内は経日的にデジタルカメラで記録をし、抗体投与による C. albicans の感染増悪の肉眼所見をとる。 ③舌の採取と炎症性サイトカインの測定:すでに予備実験の結果から、抗IL-6抗体投与マウスでは舌表面に定着する C. albicans の菌数が増加することを認めている。そこで、C. albicans を口腔内に感染させた後は経日的に舌を採取して、ケモカインを含む炎症性サイトカイン (MIP-1α, IL-1, IL-6) の産生量をELISA法で測定する。
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