研究課題/領域番号 |
26463193
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊藤 孝訓 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50176343)
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研究分担者 |
大沢 聖子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (00152108)
青木 伸一郎 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60312047)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯学教育学 / 医療行動科学 / カリキュラム / プロフェッショナリズム |
研究実績の概要 |
人間行動を科学的に理解するには、人間の思考、記憶などの知的機能の解明を目的とした認知心理学を基盤とした医療者・患者の行動を具体化させることである。そのためには、従来の基礎医学、臨床歯科医学に加えて、「歯科医療行動科学」をもっと詳細に1年次入学から、密接にリンクしながららせん型に積み上げていく学問体系を開発する必要がある。 そこで、始めに、我が国の歯学教育機関29大学に対して、本研究の意図を説明する文章を作り、シラバスの提供を依頼した。各大学に窓口的役割を担う担当者を決めることができた。また、大学責任者の許可を得て、平成26年度シラバスをすべて収集した。 総覧的にではあるが、大学ごとに科目名、時間数の特徴等について傾向をまとめているが、特に行動科学領域ではかなりの差があることがわかった。学修項目の違いや傾向を比較するにはシラバスは情報量質ともによい根拠となることがわかった。さらに、詳細な分析を行う。現在、Adobe Acrobatの文字検索機能を用いて、PDFファイル内の検索を行うことができるので、シラバスの全てをPDF化してキーワードによる検索を進めている。また、理解しにくい内容に関しては、アンケートによる追加聴取を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
5月から約2ヶ月間、入院手術等による加療があり、研究がスタートできず取りかかれなかったために進行が遅れた。そのため、窓口となる各大学担当者の選出依頼が遅くれ、本年度はシラバスの資料収集がほとんどなってしまった。しかし、連携研究者の協力もあり、平成26年度のシラバスは全て揃えることができた。 大学ごとに科目名、時間数の特徴等について傾向をまとめ、特に行動科学領域ではかなりの差があることがわかったので、本研究の意義は明確になった。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートは2回に分けて実施する必要性が生じた。第1回目のアンケートは、1)歯科医療行動科学の授業項目に関する質問、2)歯科医療行動科学の構築に関する意見や考えに関する質問とする。聴き取り調査は、シラバスから不確実な事象や不明瞭な事項について、Mail、文書、および教育機関を訪れてフォーカスインタビュー調査を行う。連携研究者の専門性、地域性を用いた細かな調査を行う。その後、2回目のアンケートは、1)学士課程終了時に獲得すべきコンピテンスに関する質問、2)段階的に獲得すべきコンピテンス設定に関する質問とする。 欧米諸国、特にヨーロッパ歯科医学教育学会、米国歯科医学教育学会における投稿論文が主となるが、その他教育機関における投稿論文を検索する。また、ガイドラインから科目名、学習目標、行動目標、その他、明らかになった教育的事項の抽出を図る。 解析は、これまでに得た資料から抽出したキーワードについて、言語化コーディングを行い、テキストマイニング処理を行うことで、特徴を抽出し傾向分析を行う。これらの上位抽出用語を整理することで、各学年における段階的なコンピテンスを整理する。明らかとなったエビデンスについて、連携研究者や医学・行動科学の専門家を交えて討議する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れにより本年度はシラバスの資料収集がほとんどなってしまったため、調査旅費(他教育機関への交通費)とその他の経費(2度目のアンケート送料、印刷費)は、次年度以降に使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度のアンケート調査をもとに他教育機関を訪問し、ヒアリングを行う予定である。その際、調査旅費を使用する。 また、2度目のアンケートを行う際に、その他の経費(アンケート送料、印刷費)を使用する予定である。
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