本研究課題では,周術期の口腔衛生/機能管理の効果を明らかにすることを目標とした。具体的な内容として,(1)入院高齢患者における口腔機能と栄養の関連性,(2)心臓弁置換術(VR)患者における口腔衛生管理の効果,および(3)がん周術期における経口摂取と舌圧低下との関連性,について検討した。その結果,(1)入院高齢患者では,口腔の筋力系の機能低下が著明であった。(2)VR患者への術前からの口腔管理により,口腔衛生状態が改善し,術後もその状態が維持されていた。(3)経口摂取群よりも非経口摂取群において,術後の舌圧は有意に低下していた。これらの結果より,周術期の口腔衛生/機能管理の効果が明らかになった。
|