研究課題/領域番号 |
26463205
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
工藤 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20323157)
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研究分担者 |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60241676)
杉山 令子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80312718)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40331285)
石井 範子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10222944)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 手浴 / 看護技術 / 自律神経 / 皮膚温 / 深部温 / 血流量 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、40名の肩部血流量、手・腕・肩部・顔面・胸部・上背の皮膚温、深部温、自律神経活動および快適感3項目のVASについて、「時間」を被験者内要因、「介入」を被験者間要因とする2要因分散分析およびBonferroni法による多重比較を実施した。REスケールはFreedman検定およびWilcoxon signed-rank testを実施した。その結果、右の肩部血流量は手浴群、非手浴群の間で有意差は認められなかった。左の肩部血流量は手浴直後のみ手浴群の方が有意に高くなった(P<.05)。10分間の手浴で皮膚温が上昇するのは手から前腕、上腕、胸部までであり、手浴群の皮膚温が有意に高かった。胸部、顔面、上背は手浴群と非手浴群との差はなく両群とも同様の推移を示した。深部温では手浴群において手浴中・直後において一過性の上昇が見られたが、統計上の有意差は認められなかった。自律神経活動では手浴中の心拍数において手浴群の方が非手浴群よりも有意に高かった(P<.05)。副交感神経活動の指標であるSDNN、RMSSD、HFにおいては手浴中の低下がみられ、手浴群の方が非手浴群よりも有意に低かった(SDNN P<.000、 RMSSD P<.01、HF P<.05)。LF/HFでは有意差がなかった。VASの3項目すべてにおいて介入と時間に有意な交互作用および主効果が認められ、手浴直後、30分後、60分後で手浴群の得点が高かった。REスケールでは手浴直後と30分後に4項目すべて、60分後に1項目で有意差が認められ手浴群の得点が高くかった。このことから手浴は主観的に気持ちよさを提供できる技術であるが、心拍数の上昇および副交感神経活動を一時的に低下させる影響があることが分かった。本研究の一部を2016年12月に第36回日本看護科学学会学術集会で発表した。
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