研究課題/領域番号 |
26463206
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小宮山 政敏 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70175339)
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研究分担者 |
松野 義晴 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (00376378)
藤田 水穂 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (00380717) [辞退]
田中 裕二 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40179792)
宮宗 秀伸 東京医科大学, 医学科, 講師 (80422252)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 皮静脈 / 皮神経 / 静脈穿刺 / 採血 / 注射 / 肘窩 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、男性4体8上肢、女性2体4上肢の合計6体12上肢について解剖を行った。 また、平成26年度および27年度のものと合わせて、肘窩における皮静脈と皮神経の関係について全体解析を行った。全体解析では、正確な値が得られた男性7体13上肢および女性9体17上肢、すなわち合計30上肢のデータを用いた。 その結果、肘正中皮静脈のタイプはN型21例、M型6例、欠如するものが3例あった。外側前腕皮神経の出現部位の高さはHuter線の近位3.0~49.5(25.5±13.4)mmであり、肘窩の中央線から橈側4.5~31.3(15.5±6.3)mmであった。外側前腕皮神経の枝は1~6(3.1±1.4)本で、橈側皮静脈より浅層を下行するのが36.7%、深層を下行するのが63.3%であった。外側前腕皮神経の枝のうち肘正中皮静脈と交差するのが12肢にみられ、その数は1本が8例、2本が2例、3本または4本が各1例であった。交差の位置はいずれも肘正中皮静脈と橈側皮静脈の合流点付近で、58.3%が浅層、41.7%が深層で交差していた。一方、内側前腕皮神経は全例において1~2本の枝が尺側皮静脈に伴走しており、尺側皮静脈は穿刺には適さないと思われた。肘正中皮静脈と交差する内側前腕皮神経の枝は全例において1~2本見られ、34.6%が浅層、65.4%が深層で交差していた。全体として、肘窩の中央線から尺側7.2~11.2mmの範囲には皮神経がみられなかった。この部位は上腕二頭筋腱膜の表層にあたり、その深部には上腕動脈および正中神経が存在するが、深く穿刺しなければ比較的安全な部位と考えられた。 肘正中皮静脈が存在しない場合には橈側皮静脈を選ぶべきであるが、Huter線の近位21.9~遠位24.0 mmの範囲は避け、正面から進入し、深く穿刺せぬよう注意が必要であると考えられた。
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