肘窩における皮静脈穿刺に適した部位を明らかにするため、遺体16体30上肢を解剖して肘窩での皮静脈と皮神経の位置関係を調べた。その結果、肘窩の中央線から尺側7.2~11.2mmの範囲には皮神経がみられないことを明らかにした。したがって、この部位にある肘正中皮静脈は比較的安全な穿刺部位である。ただし、その深部には上腕動脈および正中神経が存在するので、深く穿刺しないことが必要である。さらに、肘正中皮静脈が存在しない場合には橈側皮静脈を選ぶべきであること、その際は上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶHuter線の近位21.9~遠位24.0mmの範囲は避けるべきであることを明らかにした。
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