研究課題/領域番号 |
26463214
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 美紀 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10315913)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 腰痛 / 看護師 / 作業姿勢 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護師の腰痛予防の観点から病院勤務看護師の作業姿勢の実態について、どのような援助の際にどのような姿勢で行っているか、その持続時間や頻度はどのようであるかを明らかにし、腰痛の有無や症状の発現の仕方と姿勢との関係を検討するとともに、先行研究で示唆されている腰部負担が大きい中腰かつ上肢を伸ばしての作業に該当するおむつ交換や寝衣交換について、実態調査結果をふまえ、腰部負担の少ない方法を検討し、三次元動作分析装置を用いて検討することを目的としている。 平成28年度は実態調査方法の検討を行った。研究協力が得られそうな病院の看護部に看護師の姿勢の観察方法としてビデオ撮影や計測機器の装着、研究者による観察について相談するとともに、実施可能性を研究施設で検討した。ビデオ撮影については、対象看護師がケアを行う患者からの同意取得について病院により見解が異なったこと、病院空間での撮影では必要な作業姿勢の確認が難しい場面が多々あることが予測されたため、採用しないこととした。計測機器については実際に研究施設にてデモ機を使用し、データ化とその解析結果を本研究に適用できるかを確認したところであるが、体幹前傾角度のみならずひねり動作が腰部負担に与える影響も示されているため、それらの角度データが取得できる機種を検討中である。ビデオ撮影が難しいことから、看護師のケア内容、姿勢・動作を研究者が観察し記録することで、どのような援助の際にどのような姿勢であるかという実態調査となるため、観察項目および方法を確定し、今後病院でのプレテストを経て実態調査を実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実態調査方法のうち、姿勢の観察を当初労働衛生方面で用いられているOWAS法を活用しようと考えたが、研究室内で看護動作をOWAS法の30秒スナップリーディングで行ったところ、多くの動作を見落とすことが分かり、再度ビデオ撮影の可能性を病院に確認するなどした。また、姿勢計測機器についての検索、姿勢観察方法の再検討に時間がかかったため、年度当初予定より遅れ、全体の計画から大きく遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
計測機器を速やかに選定、購入し、病院の協力のもと、臨床での実験実施方法の検討を行う。その検討を経て姿勢の計測・観察方法を洗練し、研究倫理審査を受審し本実験へ移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実態調査の実施に至らず、調査に必要な物品費、人件費、謝金を使用していないため。
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次年度使用額の使用計画 |
実態調査のための計測機器の購入を行い、調査協力者への謝金、調査や分析を行うアルバイト等人件費などとして使用する。
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