研究課題/領域番号 |
26463217
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
山口 三重子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (90279018)
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研究分担者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
川村 友紀 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (20615926)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護倫理学 / 臨床倫理 / コンサルタント / 評価尺度 |
研究実績の概要 |
臨床倫理コンサルタントのコンピテンシー評価尺度の開発と先行要因との関連を因果関係モデルを検証するために、全国の国公立及び公的機能を有する赤十字、済生会、労災病院等723病院対象に、2015年10月の1か月間に調査依頼を行った。調査内容は基本属性(年齢、性別、資格、経験年数他)及び臨床倫理コンサルタント技能に関する「対人技能」「プロセス技能:会議進行能力技術」「当事者間のコンセンサス育成技能」「情報収集技能」「葛藤性質特定技能」「分析技能」などで、合計53項目である。318名から回答を得て、属性、技術の等の集計を行った。男性219名(68.9%)、女性99名(31.1%)、年齢平均54.8歳(±7.7)、委員の期間は23.2年(±4.7)であった。職種は、医師137名(43.2%)、看護師75名(23.7%)、薬剤師38名(12.0%)、臨床心理士2名(0.6%)、その他65名(20.5%)であった。コンサルタント技能の「対人技能」「プロセス技能:会議進行能力技術」「当事者間のコンセンサス育成技能」「情報収集技能」「葛藤性質特定技能」「分析技能」の6つの技能を医師・看護師・その他の職種の3群において、一元配置分散分析で分析した結果、6つの全てにおいて医師・看護師間に有意な差が認められた。また、それらの技能のうち、看護師とそのほかの職種との間で有意な差が認められた技能は「情報収集技能」で、そのほかの5つの技能には差がなかった。次に、「コア知識」「医療システム知識」「患者知識」「倫理規範知識」の4つにおいて同様の分析を行った結果、「患者知識」においては、医師・看護師・その他の職種の3群に有意差はなかった。「倫理規範知識」においては、医師・看護師間に有意差はなかったが、医師・看護師とその他の職種には有意差が認められた。今後、因果モデルに従ってコンピテンシー評価尺度の開発を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査が終了したので、データの分析を開始したところであり、計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究が目的とした因果関係モデルをSEMにより検証し、臨床倫理コンサルタント評価尺度の開発を試みる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
返送された質問紙が予想より少なかったので、入力の謝金が少なかったことと、共同研究者との会議の回数が予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
現在データの分析を行っているが、並行して国際学会に投稿(回答待ち)したため、学会発表(米国ワシントンDC)のための渡航費用に使用する。
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