研究課題/領域番号 |
26463218
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
田中 マキ子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80227173)
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研究分担者 |
磯貝 善蔵 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (20285208)
根本 哲也 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (90342477)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スモールチェンジ法 / 体圧 / ずれ力 / 傷の物性変化 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで通説とされてきた「2時間おきの体位変換」に変わる具体的な方法としてスモールチェンジ法を提案し、この方法の安全性と有効性、看護・介護マンパワーに資する経済効果を検討するものである。 平成26年度研究では、①ひずみゲージによる各種体位変換方法がもたらすずれ力の検討、②全身体圧計による各種体位変換方法がもたらす体圧変化の検討、③チェックマイハートを用い各種体位変換方法が自律神経系の反応について検討したところ、本研究で提案するスモールチェンジ法において優れた結果が示された。また、体位変換がもたらす傷の物性変化(形状)への影響については概念図を示唆した。 さらに平成27年度研究では、健康成人、並びに高齢者を対象に長時間臥床(3時間、6時間)が及ぼす安楽感について検証を行ったところ、各種体位変換方法においても、成人と老年との年齢比較においても顕著な違いは生じなかった。傷の物性変化については、皮膚組織の粘弾性をキュートメーターと定性的触診法を用いて検証し、高齢者の体表物性評価のプロトコールを作成した。高齢者特有の外力要因に関しては、1)創傷の形態からの検討、2)高齢者の基礎疾患からの検討を行った。形態が特徴的な褥瘡(二層性褥瘡)に注目し、仙骨部に好発することを見出し、その理由について、外力方向と骨突起との相対的関係をモデル化して提示できた。この他、浅く不整な創傷は体表と接線方向からの外力、深くて整った創傷は深部の血管の閉塞が原因であることを考慮して発症部位別に潰瘍画像データ解析から理論構築を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画している内容については、検討・検証が行えていること。また、関係学会での発表、学会誌投稿・採択も順調に進行しているため。平成28年度においても国内学会での発表、国際学会での発表を計画し、それぞれ採択されていることから、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
体位変化に関する臨床における検証では、スモールチェンジ法を用いた症例検討から、従来からの体位変換方法とどのように違い(主に看護・介護者に対する負担等、費用対効果)について検討する。スモールチェンジの有効性に関する部位別検討や部位に及ぼす外力等の負荷量の可視化については、これまでに検討してきた、高齢者特有の外力要因に関するモデルの精選を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
ひずみ測定用計測機器において、値引きがあり、当初の予定額から安く購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集に際する補助業務に対する謝金にあてた。
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