健常な成人(20-40代)を対象として、入眠前の10分間に眼部もしくは後頸部に40℃の温罨法を施し、その後の睡眠に与える効果を評価した。測定した項目は、心拍変動、体動であり、起床時にアンケートにも答えてもらった。睡眠前に温罨法を適用する条件に、何も適用しない対照条件を加え、計3条件で実験した。いずれの条件でも入眠時に顕著な心拍数の減少が認められた。心拍変動から見積もることができる自律神経活性については、どの条件でも睡眠中に副交感神経活性の上昇が見られたが、3つの条件による有意な差はなかった。入眠までの時間と睡眠調査票による主観的な評価にも、眼部と後頸部による明らかな差は見られなかった。
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