研究課題/領域番号 |
26463220
|
研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
佐藤 都也子 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (30321136)
|
研究分担者 |
山岸 千恵 京都看護大学, 看護学部, 准教授 (30382815)
丸山 良子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10275498)
山崎 裕美子 姫路獨協大学, 看護学部, 教授 (00285321)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ハンドマッサージ / 受け手-実施者 / 信頼関係構築 / リラクセーション / 看護技術 / 科学的実証 |
研究実績の概要 |
看護は,対象者(患者)と看護者の人間関係を基盤としており,看護技術の効果を実証する際には,この人間関係に伴うさまざまな影響因子を考慮する必要がある。本研究では,ハンドマッサージを継続的に実施し,マッサージの心身への効果に加えて,受け手と実施者の関係性の構築への効果をも実証しようとしている。したがって,ハンドマッサージの継続的実施による,心身の変化がマッサージ刺激によるのか,受け手と実施者の人間関係が影響しているのかなど,効果とその要因について明らかにする必要がある。 昨年度は,信頼関係構築に関与すると示唆されるホルモン「オキシトシン」に注目し,新たに検討した実験プロトコールによる予備実験を実施する予定であった。しかしながら,データ解析のプロセスにおいて問題が生じたため,先にこの問題解決に取り組んでいる。 データ解析のプロセスにおける問題解決に時間を要しているため,まずは,継続実施による効果をこれまでの指標を用いて検証することを並行して進めている。予備実験で,ハンドマッサージ実施者のデータの不安定さが顕著となった。予測されていたことではあるが,分析すべきデータが安定して収集できるように検討と工夫を重ねた。その結果,実験プロトコールの修正が終わり,本実験に移行可能となった。研究参加者は健常な大学生としており,継続実施においては,参加者の学業をはじめ大学生活に支障をきたさないように調整を図って,実験を進めている。 また,信頼関係構築に関与すると示唆されるホルモン「オキシトシン」に注目した研究報告は,国内外で増えてきていることより,これらの文献検討に積極的に取り組んでいる。この文献検討では,より信頼性・妥当性の高い,信頼関係構築を評価するデータ解析の方法にも着目して検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
信頼関係構築に関与すると示唆されるホルモン「オキシトシン」に注目し,新たに実験プロトコールの検討を進めてきた。しかし,データ解析のプロセスおける問題解決に時間を要している。そのため,この問題が解決次第,新たな実験プロトコールで実験を遂行できるよう,申請時のプロトコールで,ハンドマッサージの単回実施から継続実施での健常若年者を対象とした実験を開始した。 しかしながら,申請時の計画では,若年健常者での継続実施の効果を確認し,在宅療養者とそのケア提供者を対象とした実験へと展開していく時期であった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究テーマと関連する分野において,信頼関係構築に関与すると示唆されるホルモン「オキシトシン」を指標の一つとして評価していくことは,必要不可欠であると考える。 したがって,データ解析のプロセスにおける問題解決を7月末までには,必ず実施する。そして,現在,遂行中の若年健常者を対象としたハンドマッサージの継続実施における実施者および受け手の効果を明らかにする実験に,速やかに「オキシトシン」を新たな指標として追加して実験を進めていく。 並行して,在宅療養者とそのケア提供者のリクルートを進め,本年度中にデータ収集を開始できるように進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究テーマと関連する分野において,信頼関係構築に関与すると示唆されるホルモン「オキシトシン」を指標の一つとして評価していくことは,必要不可欠であると考え,新たな実験プロトコールの構築を試みた。その結果,データ解析プロセスで問題が生じ,実験遂行がやや遅れているため。
|
次年度使用額の使用計画 |
ホルモン「オキシトシン」を指標として新たに追加し,検体収集やデータ解析を外注する経費に当てる。また,年度前半の若年健常者を対象としたハンドマッサージ継続実施の効果検証,および後半での在宅療養者とそのケア提供者を対象とした実験に必要な経費に当てる。 さらに,昨年度,国際学会で発表した内容を英文雑誌に投稿するための経費に当てる。
|