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2016 年度 実施状況報告書

本邦におけるDNAR指示の一般的解釈と混乱回避に向けた倫理教育のあり方

研究課題

研究課題/領域番号 26463221
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

水澤 久恵  新潟薬科大学, 健康・自立総合研究機構, 研究員 (20433196)

研究分担者 深堀 浩樹  東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (30381916)
中村 裕美  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (60381464)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードDNAR / DNR / 蘇生不要指示 / 終末期 / 看護倫理 / 臨床倫理 / 生命倫理 / 質的研究
研究実績の概要

本年度においては、昨年度に引き続き本邦におけるDNAR指示の一般的解釈の現状把握と現場に生じるDNAR指示に関わる倫理的課題の明確化を図るために、医師及び看護師のインタビュー調査の結果を分析し、次に実施予定の質問紙調査項目の検討を行った。
便宜的に抽出した5県の100~400床規模の複数の診療科をもつ一般病院の5病院で働く終末期の患者の治療や看護に携わる医師と看護師を対象とし、医師4名、看護師10名からインタビューデータが得られた。看護師の特性としては、平均年齢33.8歳、臨床経験年数1年3か月から22年2か月まで幅があった。また、医師の特性として、平均年齢51.5歳、臨床経験年数22年から33年とベテラン医師が多かった。インタビューガイドに沿って収集されたインタビューデータを、質的分析手法を用いて分析し、複数の研究者が検討を重ねることで分析内容の信頼性と妥当性を確保した。その結果、医師や看護師がDNARの必要性をどのように捉えているか、患者の回復困難な状況を判断する判断者、DNARに関する意思決定のプロセスについての現況と課題が明らかとなった。また、医師、看護師が認識するDNAR指示後に差し控えられたり、中止される医療処置の内容について、実施の確実性という観点でインタビューから抽出された医療処置(行為)を分類、整理した結果、DNAR指示の理解は十分ではなくDNAR指示後に行わないとする医療処置の内容も多岐にわたっており、医療者個々人によって想定されるDNAR指示は異なり、医療者間でのコンセンサスがない状況といえた。更に、DNAR決定後の治療・看護に与える影響等の倫理的課題についても明らかとなった。
今後は、質的研究結果より明確化されたDNAR指示に関わる倫理的課題を基に、それに関連した質問紙の作成と調査を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

H28年度は質問紙調査を行う段階であったが、前段階の質的研究の分析に時間がかかり量的調査が実施出来ておらず、次年度へ延長となった。

今後の研究の推進方策

質的研究結果を踏まえて、質的研究結果より明確化されたDNAR指示に関わる倫理的課題を基に、それに関連した質問紙の作成と調査を行う。
そして、質的・量的調査の結果を活用し、DNAR指示の混乱回避に向けた倫理教育のあり方を検討し倫理教育内容の確定と暫定プログラム実用化に向けた準備を行う。

次年度使用額が生じた理由

H28年度に実施の予定であった質問紙調査が次年度へと遅れたため、それに関わる未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

質問紙調査を実施するための印刷代、通信費、郵送代金、調査対象者への調査依頼のための旅費、データ入力や整理のための研究補助、専門的助言提供者への謝礼を必要とする。研究に関わる検討会を実施するための会議費、旅費、研究成果を発表するための旅費、学会投稿料を計上している。

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公開日: 2018-01-16  

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