研究課題/領域番号 |
26463225
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
中納 美智保 関西医療大学, 保健看護学部, 准教授 (10342271)
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研究分担者 |
辻 幸代 関西医療大学, 保健看護学部, 教授 (10331802)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護技術 / 皮膚バリア機能 / 皮膚洗浄方法 |
研究実績の概要 |
本年度は、健康な成人男性と女性の皮膚の生理機能の基礎的データを測定した。対象は7名の男性(年齢21.1±0.4歳)と23名の女性(年齢31.5±13.6歳)の合計30名であった。測定項目は、皮膚温・経表皮水分喪失量(TEWL)・角層水分量・皮膚pH・皮脂量であり、手背・前腕内側・前胸部・背部・下腿後面・足背の6か所を測定した。 その結果、皮膚温は手背・背部・下腿において女性群が男性群と比較して有意に温度が低かった(P<0.05)。TEWLについては、すべての測定部位において女性群と男性群の有意な差はなかったが、手背や足背は男性群のTEWLは高い傾向が示唆された。角層水分量は、下腿(女性群41.0±10.2 a.u.、男性群29.0±6.7 a.u.)において男性群が女性群より有意に低値であった(P<0.05)。皮膚のpHについては、手背・前腕・胸部・背部・足背において女性群は男性群よりも有意にpH値が高かった(P<0.05)。皮脂量については、女性群と男性群の有意差はなかったが、手背・前腕・下腿・足背にはほとんど皮脂がないことが示唆された。 皮膚の生理的機能は季節による影響があると考えられているため、対象者のうち1名について7月・12月・3月における下腿と足背の皮膚温・TEWL・角層水分量を測定した。その結果、下肢と足背の皮膚温については時期による変化はほとんどなかった。しかし7月の下腿のTEWL値は12月・3月より高く、角層水分量は低い値であった。足背においては3月のTEWL値と7月の角層水分量は高いことが示された。 今年度の結果から性別や年代により皮膚温・経表皮水分喪失量・角層水分量・皮膚pH・皮脂量が異なることが示唆された。次年度は横断的測定をさらにすすめるとともに、本研究全体の目的である皮膚洗浄法による皮膚バリア機能に及ぼす影響について検証をすすめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの達成度については、被験者の確保に時間を要したが、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、実験機器の確保および操作方法、被験者の確保についても大きな問題がないため計画通りに進める予定である。
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