研究課題/領域番号 |
26463234
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
坂下 恵美子 宮崎大学, 医学部, 助教 (70511195)
|
研究分担者 |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
西田 佳世 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (60325412)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 新人看護師 / 看取り / 中堅看護師 / 終末期がん患者 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は,新人看護師が終末期がん患者に寄り添う力を支援する看取り教育プログラム作成のための基礎的研究である。平成26年度に九州・沖縄の200床以上の一般病院の教育責任者を対象に自記式質問紙調査を実施し,新人看護師の看取り教育の現状と課題を検討した。平成27年度以降は,200床以上を有する病院の一般病棟の新人看護師とそのロールモデルの中堅看護師を対象に面接調査を行った。面接は半構造化面接を用い,新人看護師13名とその新人看護師に推薦されたロールモデルの中堅看護師7名に調査を実施した。調査データは質的に分析した。 分析の結果,新人看護師は入職して初めて間近で人が亡くなっていく過程にかかわる看取りを経験し,終末期にかかわることへの不安や驚き,難しさを経験的に感じていた。また,新人看護師の中には終末期の患者や家族とのかかわりで不安を感じても自分から他の看護師に助けを求められず【不安を抱え込む】状況があった。この看取り経験で困難を抱える新人看護師を臨床現場で支えるのは,新人看護師を気にかけてくれる先輩看護師の存在であり,新人看護師は支援をくれる先輩看護師に【困った時に頼れる】【自分を見守ってくれる】と安心感や信頼感を抱いていた。また,ロールモデルの中堅看護師は,自己の過去の経験と新人を重ね合わせ,看取り経験の少ない新人看護師の心情をくみ取った支援を意識していた。新人看護師と中堅看護師の分析結果の比較より,ロールモデルの中堅看護師は,新人看護師の状況に応じた支援を心がけており,経験豊富な中堅看護師の支援が新人看護師の安心感につながることが示唆された。また,新人看護師が患者の看取りを経験する中での技術的な悩みや心理的な不安に対して段階的な支援が必要と考えられた。
|