研究課題/領域番号 |
26463235
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
定廣 和香子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (60299899)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
松田 安弘 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (10290545)
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 実習安全 / FD / 自己評価 |
研究実績の概要 |
次の研究を実施した。 1.実習安全に向けた教授活動自己評価尺度の開発:FDプログラムの中核として、実習安全のための教授活動を自己評価する尺度を開発し、活用する。平成25年までの研究に引き続き、自己評価尺度の開発に向け、全国の看護学教員2028名を対象にした郵送法による質問紙調査を実施した。有効回答786部を対象に信頼性・妥当性を検討した結果、8下位尺度56項目の原版から16項目を削除し、40項目からなる試行版を作成した。分析の結果、内的整合性、構成概念妥当性、基準関連妥当性が確保できていることを確認した。また、教員112名を対象にした再テスト法による安定性の検討を行った。2度のテストに回答があった24名の教員の総得点の相関を検討し、安定性が確保できていることを確認した。 2.1.の調査と同時に実習安全のための教授活動の質に関係する教員特性を探索した。56項目の総得点と教員特性との関係を検討した結果、実習安全のための教授活動は、「教員の看護実践能力の質」「実習指導体制」「実習指導に対するやりがいの知覚」「相談相手の有無」「学会所属の有無」などと関係があり、これらの特性が実習安全のための教授活動に影響する可能性が示唆された。 3.1.の自己評価尺度は、信頼性・妥当性は確保できているが、下位尺度と各質問項目との整合性に開発の重点をおいたため、基盤となった質的研究のカテゴリすべてを反映できないという限界が示唆された、この限界を克服するために、改良版を作成中である。 4.FDプログラムが具備すべき要件を検討した。現在進行中であるが、実習安全に向けた教授活動を網羅したカテゴリを検討し、これらの教授活動を実現するために必要な知識・技術・態度を抽出する、2.の結果を参考にプログラムの対象となる教員集団を検討することを通し、プログラム展開モデルが提案できる可能性が高いことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度末までに完成予定であった研修の中核となる実習安全のための教授活動自己評価尺度の質問項目の決定に想定よりも時間を用し、平成26年度に予定していた調査とあわせて、信頼性・妥当性を調査する必要が生じた。現在、試行版は完成しているが、活用可能性に限界があり、研修に実際に活用するために改良を加える必要がある。しかし、理論的枠組みの構築を同時に進めており、実習安全のための教授活動の質と関係する教員特性の抽出は、予定通り進んでいるため、研究期間内に目標は達成できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
実習安全のための教授活動自己評価尺度は、研修の教材として活用可能であると同時に研修の到達目標としての行動目標の決定と評価に重要な機能を果たすことが確認できた。そのため、この尺度の改良と洗練に当初計画よりも重点的に取り組む予定である。 理論的枠組みの構築とプログラム展開モデルの立案は、同時進行的に行っていくため、計画内容に大幅な変更は生じない。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の松田氏の専門家会議等に関わる準備経費を、松田氏が個人経費により負担したため、計画から余剰分が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降の打ち合わせ会議および研究協力依頼のための旅費に使用予定である。
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