本研究の目的は、複数の看護系大学の統合実習実践事例から学生の看護実践能力を評価する統一した基準を見出し、それを全国看護系大学と共有し、各大学の評価基準の改善や学生の看護実践能力向上につなげることである。 研究者が所属する5大学の統合実習の実践事例を収集した。文献検討に基づき看護実践能力と評価について研究者会議で検討し、従来の評価基準では評価できない「知識・技術・思考と心の表現」からの評価の視点が必要との共通認識を得た。以上をふまえ実践事例を検討した結果、統合実習の評価基準には、実習目標以外に看護の本質や学習状況の評価を含む必要があり、統合実習の評価は多層性の構造を成すことが示唆された。
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