本研究は、まず新人看護教員が抱える指導困難場面を、事例検討という形で教育実践のリフレクションを行い、新人教員の教育場面の実践的な思考と手段の実態を明らかにした。結果は学生の言動について教育目標、学習目標との関連で捉えられず、学生のとらえ方は特性のみ認識され、学生の思考、学習状況がとらえられていなかった。手段は、確認、指摘、指示、その場をながすであった。次に、2年間継続して教育事例を検討することで教育実践能力獲得状況を把握した。結果、新人教員は、困難と感じた事例の原因を知り、対処する方法が学び取れた。この結果から、新人教員が実践的思考や手段の獲得方法として教育事例が有用であることを示唆した。
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