研究課題/領域番号 |
26463240
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
遠藤 みどり 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (90279901)
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研究分担者 |
井川 由貴 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (20453053)
山本 奈央 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (30509427)
池松 裕子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50296183)
坂本 玲子 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (50300124)
江川 幸二 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90276808)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 発達障害 / 看護学生 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
研究では、看護学生の困難な学習上の問題を発達障害の関連性も含めて検討した上で、看護実践にかかわる能力の要素と関連させ、学習課題の解決に向けた教育プログラムを構築することである。教育プログラムの構築に向けた調査方法を検討し、二段階の構成による調査方法を選定した。第一段階の調査は、「学生の困りごと調査」(開発者の使用許諾を得た)とし、第二段階の調査を「発達障害スクリ-ニング調査」として構成した。第二段階調査では、発達障害が疑われる学生を早期に把握し、個別指導による看護実践への適応を支援するために、看護学生の実習開始前に「物事の優先度を考え、計画的に課題に取り組める」「物事の見通しを立てて、段取りをイメ-ジできる」「人の気持ちを想像し、寄り添うことができる」「集団の中で協力し、協調性がある」「人や場所に応じた挨拶ができる「必要な時に人に連絡したり、報告したり、相談できる」などの25の質問項目で調査票を作成した。25項目調査によって、アスペルガ-症候群の傾向か、注意欠陥多動性障害の傾向か、学習障害の傾向なのかが捉えられ、障害の可能性に応じた教育支援が可能と判断できる。しかし、研究者らの所属機関に発達障害の診断を受けた学生が在籍しており、スクリ-ニングツ-ルの使用が当該学生への偏見に繋がる危険性があり、専門家の助言も得て「看護学実習に必要なチェックリスト」の名称とし、看護学実践への適応を推進することを一義的な目的として再検討した。調査票の妥当性の確保のための方法や、調査実施における倫理性の担保の方法について検討するとともに、教育プログラムの内容について協議・検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年度の目標は、スクリ-ニング調査の実施と教育プログラムの構築であったが、障害者基本法、障害者差別解消法「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(2016年施行)」の制定に伴う障がいのある学生への合理的配慮等や研究実施機関における研究倫理等の諸問題から、調査方法の見直しと、教育プログラムの内容の再検討が必要になったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、スクリ-ニング調査の実施可否を再検討するとともに、調査票の信頼性の確保についての調査を検討する。また、専門家の助言を受けながら、2か月に1回、定例会議を開催し、教育プログラムの内容と方法を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査方法の検討や教育プログラムの構築のために定例での会議を2か月に1回開催する予定であり、専門家の指導・助言も必要である。また会議開催において、旅費及び会議室借用も必要になるため。
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次年度使用額の使用計画 |
定例会議開催は7月、9月、12月、3月に実施予定。9月には発達障害の戦果の助言・指導をうるための謝金が必要であり、会議開催においては、研究者が集合し、効率的に会議が行えるように東京都内の貸会議室を使用する予定である。また、調査実施や教育プログラムの検討における消耗品や役務費も必要になるため。
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