研究課題/領域番号 |
26463241
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
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研究分担者 |
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (50020839)
江頭 有夏 (松澤有夏) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (30436894) [辞退]
牛山 陽介 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (30737698)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 理科的基礎知識 / 看護学科 / 新入生 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、「理科的基礎知識のアンケート」を実施し、不足している知識の教授方法を模索した。 アンケートは3月に倫理委員会の審査を受けた上で、看護学科に入学したばかりの1年生に対して実施した。この結果、ごく初歩的な「二酸化炭素」や「水」の化学式を解答する問いでは全ての学生が正答した。しかし、「塩化ナトリウム」は高い正答率にもかかわらず、同じものと言ってもよい「食塩」の化学式の問いでは、正答率が48%であった。また、これらの関連事項として、「生理食塩水の濃度」の問いでは15%など低い正答率のものも散見された。。 物理単位の問題では1gを1000mgに変換する問題で正答率は33%であった。他の設問も合わせて考察すると、接頭辞を数として認識していないことが示唆された。また、1dL, 1ccならびに1合をmLに変換する問題も各々、低い正解率であったことから体積(容積)に関して日常的に意識が低い可能性も考えられた。現に、これらの知識の積み重ねとその応用問題である「ごく簡単な希釈の問題」でも正答率は低値を示した。 したがって教授する側が現状を把握したうえ、理科的基礎知識も看護の遂行に必要な事項として、学生に意識させる必要があると考えられた。そこで、理科的実験を含む科目の演習項目に、点滴などの看護に密接に関連するものを取り入れて理科的な要素を学生に検討させることで、興味を示す方向がプライマリーな試行として得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者である入学したばかりの大学1年生が入学するのとほぼ同時期に研究費の補助が内定したため、1年目に理科的基礎知識のアンケートがとれず、学年全体の把握が2年目になった。この結果をもとに2年目にも「看護学科で必要な理科的基礎知識についての項目をピックアップする」作業を検討したが、1年分のデータだけでは確定したものが得られなかった。また、理科的実験を含む演習での教授方法も、学生に興味を持たせる方法の方向性はみえてきたものの、1年分だけでは不十分なデータしか得られなかった。ただし、全体的にはややおくれているものの、研究の展開としては、回収すべきアンケートの設問内容や、一部の項目での教授方法の方向性も検討できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度と平成28年度に調査したアンケートを整理・再検討していくとともに、2年度間の結果を比較し、その変動や正解率が低値であるもののについて考えられる理由を検討していく。また、模擬授業の方法を模索し、順調に進んだ場合は、アルバイトとして募集した学生に対して教授方法の実際の効果の評価を検討する。計画が順調に進んだ場合は、2学年以降の学生についても、基礎知識の調査や、看護専門教育の科目の受講後に学生が実感している「理科的基礎知識の必要性」についての意識調査や開発した教授方法の有効性などについて検討する。実験的な用具による教授方法については、普及の為、コスト面についても精査しながら開発を継続する。 これらのと同時に、他大学の協力を得られるように模索していく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
1年度分のアンケートでは、優先項目の高い項目の決定にいたらず、研究にやや遅れが生じ、必要な物品の種類・質・量の最終的な決定には至らなかった為。また、本年度に遅れが取り戻せた場合は、当初予定の助成金額がないと遂行が困難になるため。
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次年度使用額の使用計画 |
決定した優先項目の高い項目に関する教授方法の模索および模擬授業の構築に使用し、人件費・謝金などに使用する。また、他大学の協力や方法の普及をはかるための旅費などに使用する。
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