研究課題/領域番号 |
26463244
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
森山 美香 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (10632200)
|
研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 患者教育 / 自己評価尺度 / 病棟看護師 |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究計画は,平成26年度に開発した「病棟看護師のための患者教育自己評価尺度」を用いてデータ収集し,調査対象となった病棟看護師の患者教育行動の質を診断することであった。この目標達成に向け,現在,研究責任者と分担者は,以下の段階を踏んでいる。 1.尺度の作成:病棟看護師の患者教育行動を測定するための64質問項目5段階リカート型の尺度を作成した。専門家会議とパイロットスタディを行い尺度の内容的妥当性を確保した。2.調査と分析方法:第1回調査:無作為抽出した病院のうち,研究協力の承諾を得た病棟看護師に郵送法を用いて質問紙調査を行った。回収は個別投函とした。調査期間は,2015年11月26日から2016年1月10日であった。統計値を算出し,質問項目を選定して尺度を再構成し,信頼性・妥当性を検討した。第2回調査:便宜的に抽出した看護師長を対象に,第1回調査と同じ方法を用いて調査を行った。総得点の相関係数を算出し,安定性を検討した。調査期間は,2015年12月11日から2016年1月4日であった。 以上の手続きを経て得られた結果は次の通りである。第1回調査の回収数は571名(回収率50.8%),有効回答は510部であり,パイロットスタディ分47部を加えた557部を分析対象とした。年齢は平均37.3歳(SD=8.6),臨床経験年数は平均13.2年(SD=8.0)であった。第2回調査の回収数は42部(回収率38.2%)であり,有効回答は,2回とも全項目に回答のあった29部とした。1.質問項目の選定:得点分布,α信頼係数の変化,相関係数,因子分析の結果を検討した。最終的に,各下位尺度が5項目となるよう質問項目を選定した。2.信頼性・妥当性の検討:現在,因子分析を行い、構成概念妥当性を検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画がやや後れている原因として以下の2点を上げる。 ①データ収集までに時間を要した:尺度の質問項目作成と洗練に時間を要したため。 ②尺度の構成概念妥当性の検討に時間を要した:データ分析段階において,理論的枠組みと収集したデータの結果の一致が明確ではなかった。そのため,理論的枠組みの適切性,データ収集や分析方法の適切性について検討を重ねているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策について,以下のように計画している。 第1に,尺度を完成させ,その測定結果を評価基準と照らし,病棟看護師の患者教育行動の質を診断する。評価基準は,全国調査の結果に基づき,総得点と下位尺度毎の得点を算出し,平均点と標準偏差をもとに「高得点領域」,「中得点領域」,「低得点領域」を提示する。 第2に,病棟看護師の患者教育行動の質を従属変数とし,第1段階で抽出した病棟看護師の患者教育行動の質に関係する因子を独立変数とする。t検定,分散分析,重回帰分析を行い,病棟看護師の患者教育行動の質に関係する因子を調査し,明らかにする。 第3に,調査結果および上記第2の分析結果に基づき,『患者教育』の質向上に向けた病棟看護師のための教育プログラム立案モデルを作成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の支出予算に調査データ入力委託費を計上していたが28年度経費に繰り越しとなり,その結果,平成27年度実支出額が少なくなったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
調査データ入力委託費を平成28年度経費を用いて支払う予定である。
|