研究課題/領域番号 |
26463248
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
塩田 敦子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (90221291)
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研究分担者 |
榮 玲子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (80235134)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 漢方教育 / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、平成27年度に施行した「全国の4年制看護学部、看護学科をもつ大学における漢方教育の実態と漢方教育に対する意識調査」のアンケート結果について解析した。247校にアンケートを送付、有効回答の得られた148校について結果の解析を行った(有効回答率59.9%)ところ、「漢方教育は看護基礎教育に必要」と答えた大学が71.6%であり、「漢方治療の普及」「全人的、ナラティブな考え方と看護の親和性」が理由であった。「必要ない」と答えた大学は「時間、人的資源がない」からであった。すでに漢方教育あるいは東洋医学。補完代替医療を教育に取り入れている大学は23.0%、取り入れていない大学で「取り入れる予定がある」と答えたものは23.5%にすぎなかった。すでに取り入れている大学にその現状について詳しく聴き取りを行ったが、取り入れ方(漢方医学、補完代替医療、既存の科目で)、時期、講師などは様々であった。しかし一様に「ケアの幅が拡がる」「人間を理解する能力が高まる」等よい効果を感じており、導入を予定している大学でも漢方教育に期待が寄せられていた。一方で「看護師養成所指定規則に含まれない」「コアカリキュラム内容を項目だてすることが困難」「生涯教育として行う方が実情にあっている」という意見もあった。 平成26年度より行っている継続的な本学学生へのアンケート調査では「看護基礎教育に漢方教育は必要」と100%の学生が答えていることより、漢方教育の意義、漢方教育をうけた新しい看護師像を共通認識として教育者の中に結んで、教材の作成にとりかかっている。 尚、この結果については「日本看護学教育学会第26回学術集会」(平成28年8月23日)、「第8回看護学系漢方教育研究会」(平成28年9月2日)にて講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「看護基礎教育における漢方教育」の教材開発に際して、漢方専門臨床医に対してアンケートあるいは実際に聴き取りを行って重要項目をリストアップする予定であるが、そちらが遅れているため、同時進行で行っている。
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今後の研究の推進方策 |
まず「看護基礎教育における漢方教育」に必要と思われる漢方の知識、考え方について何が必須で、どんな教育手法が効果的かということについて、四国地方の漢方専門臨床医に対してアンケートあるいは実際に聴き取りを行う予定である。 本年度はこれまでの学生、4年制看護大学のアンケート調査などの結果をもとに、この漢方専門医のアドバイスを参考に、腹診や舌診の実技、鍼灸のツボ、在宅医療や災害医療、緩和医療など効果的な看護の場面についてあるいは漢方のフィジカルアセスメントの方法について、E-learningなど用いた教材開発を目標にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は全国の4年制看護教育課程を持つ大学へのアンケート調査結果の解析を主に行い、教材に盛り込む内容の吟味に着手したところである。そのため支出が少なかった。最終年度である平成29年度にE-learning教材をはじめとする教材の開発、作成を行う予定であるが、見積もりをおこなったところ多額の費用がかかることが予想されたことも理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
最終目標はE-learning教材をはじめとする教材の開発、作成である。 まず「看護基礎教育における漢方教育」に必要と思われる漢方の知識、考え方について何が必須で、どんな教育手法が効果的かということについて、四国地方の漢方専門臨床医に対してアンケートあるいは実際に聴き取りを行うための旅費、会議費に使用する。 腹診や舌診の実技、鍼灸のツボ、在宅医療や災害医療、緩和医療など効果的な看護の場面についてあるいは漢方のフィジカルアセスメントの方法について、E-learningなど用いた教材開発、作成に多くを使用する予定である。
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