研究課題/領域番号 |
26463248
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
塩田 敦子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (90221291)
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研究分担者 |
榮 玲子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (80235134)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 漢方教育 / 看護基礎教育 / フィジカルアセスメント |
研究実績の概要 |
平成29年10月、看護学教育モデル・コア・カリキュラムに「主な和漢薬(漢方薬)の薬理作用、機序、副作用、適応を説明できる」という文言が収載された。これにより本課題の重要性はさらに増したといえる。 平成27年度に施行した「全国の4年制看護学部、看護学科をもつ大学における漢方教育の実態と漢方教育に対する意識 調査」のアンケート結果について平成28年度に解析を行ったが、平成29年度は関係学会においてその発信を行い、そこでの質疑応答から得られるフィードバックと、E-learning教材を作成するための基礎となる学習を行った。 得られた新知見は、①東洋医学的に証を判断する四診は、看護のアセスメントと親和性が高く、フィジカルアセスメントとして取り入れることで理解がすすみやすいこと②漢方の未病を診る概念、心身一如、全人的医療という視点は、患者のみならず家族の背景や歴史、地域も含めて行われる「看護」に深くかかわるものであり、看護の質を高めることに繋がること③チーム医療が推進され多職種連携が進むなかで、在宅看護、老年看護、緩和ケア、災害医療の場面で漢方の果たす役割は大きく、看護のみならず多職種への教育が必要なこと④使命感、やりがいから働きすぎてしまう医療者の心身の未病にも漢方は活かされるであろうこと、である。 看護学教育モデル・コア・カリキュラムに沿って、またこれらの知見を活かして最終年度はE-learning教材の作成にあたりたい。 尚この内容については第68回日本東洋医学会学術総会(平成28年6月)、第48回日本看護学会-看護教育-集会(平成28年8月)、日本看護教育学会第27回学術集会(平成28年8月)にて講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遠方の実母の認知症介護と、E-learning教材作成とりかかりの遅延により、研究を終了することができなかった。 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認申請書を提出し認められており、平成30年度にて完成をめざす。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年10月、看護学教育モデル・コア・カリキュラムに「主な和漢薬(漢方薬)の薬理作用、機序、副作用、適応を説明できる」という文言が収載されており、本課題の重要性はさらに増している。この内容に沿って、実際の看護基礎教育の場面で活かされるような、また卒後の臨床場面で役立つようなE-learning教材を作成し、大学のホームページ等で無料で公開したいと考えている。 推進方策として、まずは看護基礎教育における漢方教育の視聴覚教材を作成し、教員、学生に難易度、理解度等のアンケート調査を行い、すでに医学漢方教育を精力的に行っている大学、病院を訪ね担当の医師に供覧、協力を得る。それをもとにE-learning教材の作成サービスを研修を受け利用し、教材を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成29年度は事業期間延長承認申請書を提出したように、諸般の事情で研究の仕上げとなるE-leaning教材を作成する段階に手をつけることができなかったためである。 (使用計画) まずは看護基礎教育における漢方教育の視聴覚教材を作成するための資料収集に使用する。その教材のフィードバック、ブラッシュアップのために医学漢方教育を精力的に行っている大学、病院を訪ねる旅費、会議費に使用する。それを基に看護学教育モデル・コア・カリキュラムに沿ったE-learning教材を作成するため、教材作成サービス等の利用、研修に使用する予定である。
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