研究課題/領域番号 |
26463253
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
村松 由紀 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (10348097)
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研究分担者 |
林 真紀 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (40634613)
金子 純一朗 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20306236)
阿久津 滝子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40634605) [辞退]
佐藤 信子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (70632751) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 在宅医療 / 在宅看護 / 世代間交流 |
研究実績の概要 |
高齢者と看護学生が共に学ぶ「学外ゼミ」を開設し,「2025年問題」の当事者同士による在宅医療推進に向け課題解決を目指した新しい看護教育のプログラムを試作し今回は「世代間交流」に焦点を当てて検討した。同意の得られた看護学科1年生及び市民を対象に6~7名3グループ編成とし,PBLチュートリアル学習法による課題学習を毎週1回,2コマ(180分),合計8回実施した。効果の評価は,参与観察及び自記式質問紙の自由記述内容を質的に分析した。倫理的配慮は所属大学の倫理審査委員会承認後(承認番号:14-P-9),単位認定はしないこと,参加有無が学生としての不利益はないこと等口頭及び書面で説明・協力を得た。参加者61~83歳(男性5名,女性5名)の市民及び18~26歳(女性10名)の学生計20名を調査対象とし,市民6名,学生4名より質問紙を回収した(回収率50%)。「世代間交流」に焦点をあてた記述内容分析として18コード,7サブカテゴリ―,4カテゴリーを抽出した。ゼミ開始時,市民は学生に対し【世代間の懸隔】を抱き,『自分の若い時と考え方や常識の相異』『世代間ギャップ』『日常的に接点のないシニア世代や高齢者のイメージがしにくい』『合同ゼミは正直無理』と感じていたが,徐々に相互理解や共感を覚え,ゼミ修了時には『若者の考えが理解できた』『学ぶ姿勢に頼もしさや今後お世話になることへの安心感』を覚えるなど【ラポール形成】に変化した。また,学生にとっては『高齢になっても元気に学ぶ』モデルであり【学ぶべき人生の先輩】を通し,各世代の考え方や価値観,健康観を理解しようと傾聴していた。『回を重ねる毎に議論が深まり』『徐々に身近な存在』から『他人とは思えないような親近感』に発展した。ゼミ開始時、互いが抱いた世代間ギャップは、徐々に相互理解や共感により払拭され、学生は在宅看取りについての意識を思索し、シニアは自己の人生終焉を具体的に考える好機となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A市近隣住民と看護学生より有志を募り、少人数ではあるが合計20名よりトライアルを実施し概ね計画通り進行している。次年度の修正点・課題点の明確化を行っており準備を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の修正より看護学生のみでなく理学療法学科など他領域の学生との連携を追加しゼミナールの実施を行う予定であり、プログラムの完成を目指す。さらに研究対象者群の居住地域のソーシャル・キャピタルの把握と社会参加との関連性について検討を加える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会保障制度改革の大きな変革の時であり、関連する研究論文や図書を最新のものを入手することが望ましい。また、論文作成時においても最新の文献を収集し、文献検討し活用したい。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の計画を若干修正し、文献および図書費として活用したい。
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