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2014 年度 実施状況報告書

臨床看護師の批判的リフレクションスキルを強化するICT教育プログラムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 26463266
研究機関滋慶医療科学大学院大学

研究代表者

池西 悦子  滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 教授 (90280106)

研究分担者 真継 和子  大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00411942)
山下 哲平  滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 助教 (50617420)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード看護学 / リフレクション / ICT教育
研究実績の概要

本研究は、臨床看護師のリフレクションスキルの1つである「批判的分析スキル」の習得を強化する教育プログラムを開発し、その有用性を明らかにすることを目的とする。
平成26年度は、学習スタイルとリフレクションの批判的分析スキルとの関係について明らかにする目的で調査を実施した。
調査は、総合病院に勤務する看護師90名を対象とし①リフレクティブジャーナル(以下RJ)の記述、② 研究者らが開発した①の記述内容からリフレクションスキルをアセスメントするリフレクションアセスメントツール(以下JRAT)、③ David Kolbが開発した学習スタイルインベントリー(以下LSI)の調査を実施した。実施に当たり研究代表者の所属大学において研究倫理委員会で承認を受けた。
結果:有効回答数は71で、臨床看護師の経験年数は4年~43年と幅広い経験を持つ対象者であった。LSIは、拡散型が43%、拡散・調整型が35%、拡散・同化型12%、4つのスタイルの中央に位置するタイプ(以下中央型)が10%であり、拡散型が多い傾向にあった。拡散型は経験から学び、内省により対処するタイプであり、経験を内省し学ぶリフレクション研修受講者を今回対象者としたことが影響している可能性がある。また、JRATの結果を4つの因子毎に見ると、「よりよい実践に向けた課題の発見」は中央値が2.0、「自己の看護実践の意味づけ」が2.2、「患者を中心とした状況と判断への気づき」が2.4、「ケアにおける自己の言動や感情の認識」が2.8であり、学習課題の発見や自己の実践の意味づけのスキルが低い傾向にあった。これらの内容は批判的分析によって明確になる内容であることから、批判的分析スキル育成の必要性が再確認された。LSIとJRATの関係性を明らかにするには、さらに対象者数を増やし検討する必要があり、平成27年度に追加して実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度は、学習スタイルとリフレクションの批判的分析スキルとの関係について明らかにする目的で調査を実施した。調査結果から、総合病院に勤務する看護師は経験年数に関わらず拡散型の学習スタイルが多い傾向にあることが明らかとなった。また、JRATの結果、経験から学習課題の発見や自己の実践の意味づけのスキルが低い傾向にあり、課題発見や実践の意味づけを引き出す批判的分析スキル育成の必要性が再確認された。LSIが拡散型に偏っていたことから、JRATとの関係性を明らかにするには、さらに対象者数を増やし検討する必要が生じ、平成27年度に追加実施を計画した。また、グループリフレクションのデータ収集を実施時期の調整により平成27年度に修正した。追加調査、グループリフレクションのデータ収集等が継続されることから区分3と評価した。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、平成26年度に計画していたグループリフレクションのデータ収集/分析とLSIの追加調査を予定している。LSIの結果に偏りが見られたことにより、対象者を拡大して調査を実施するため、当初の計画より調査に時間を要している。しかし、より汎用性高い教育プログラムを開発するためには不可欠であると考える。追加調査に関しては、すでに施設の承諾が得られており、今年度より分担研究者も1名追加になったことから、平成27年度の目標は変更せず推進する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に計画していたグループリフレクションのデータ収集/分析を平成27年度に実施する計画へと修正したことから、関連する費用が平成27年度に持ち越されたため。

次年度使用額の使用計画

平成27年度のグループリフレクションのデータ収集/分析にかかる費用として使用する計画である。また、平成26年度に実施した調査もさらに対象者を追加して実施する計画であるため、消耗品等の予算を可能な範囲で見直し、追加調査の費用を捻出する計画である。

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公開日: 2016-05-27  

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