研究課題/領域番号 |
26463267
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研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
西山 ゆかり 四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (50320940)
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研究分担者 |
小山 敦代 聖泉大学, 看護学部, 教授 (10290090)
岡田 朱民 京都学園大学, 健康医療学部, 講師 (90587510)
糀谷 康子 明治国際医療大学, 看護学部, 助教 (00587511) [辞退]
新田 利子 (中川) 佛教大学, 保健医療技術学部, 助教 (90635096)
岩郷 しのぶ 四條畷学園大学, 看護学部, 講師 (60320941)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 補完代替医療/療法 / CAM/CAT / 概念化 / 日常生活ケア |
研究実績の概要 |
本年度は、先行研究で明らかになった看護職者を対象に補完代替医療/療法(以下CAM/CATとする)の認知度と実施状況を基に、看護におけるCAM/CATとはどのような療法であるかを明らかにした。研究方法は、質問紙を用いて「あなたが考える看護におけるCAM/CATとはどのようなものか。」を自由記載にて回答を得た。分析方法:質的記述的方法を用い5名の研究者で合議した。倫理的配慮:目的外使用禁止、匿名性確保などを書面で説明し回答をもって同意を得た。 結果、看護職者1030名に配布し、研究参加者564名(回収率55%・有効回答数286名)から回収をした。記述内容は461項目の記載があり39の意味項目を得た。これらをカテゴリー化し、【自らの力で自律・自立してよりよく生きられるように支える】【自らが選択し、自らの力で心とからだを整える】【治療に伴う痛みや苦痛を緩和し、癒し、心とからだの安らぎを生み出す】【日常生活ケアの中で看護の力を発揮できる】【統合医療の中で看護を体系化する必要がある】の5カテゴリーに分類された。 これらの結果から看護職者が考える看護におけるCAM/CATは、目の前で苦しむ対象者の痛みを緩和し・癒し・心とからだの安らぎを生み出すものであった。更にその人らしさを維持し、人生を豊かなものにするために、対象者自らが意思決定し、自らの力でよりよく生きることを支える療法であると考えていた。また、日常生活ケアの中で実践することで、看護本来の力を発揮する場や発展性を見いだしていた。しかし、医療の中に導入するには、看護におけるCAM/CATの体系化とエビデンスの確立が急務であるとも考えていた。 結語として、看護におけるCAM/CATは、対象者の日常生活ケアの中で実践することができ、看護の中で発展していく療法であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護におけるCAM/CATの概念化にあたって、文献から一般的に補完代替医療/療法がどのように使われているのかの概念分析を行うところまで実施する予定であった。しかし、質問紙調査での「あなたが考える看護におけるCAM/CATとはどのようなものか。」までしか進めることができなかった。結果は、おおむねの看護職の考えるCAM/CATがどのような療法であるのか明らかにすることは出来たので、これらのデータを基に、看護におけるCAM/CATの基盤となる本質的なところを明らかにするためのインタビューガイドを作成する予定であったが、タイムスケジュール調整が上手くいかず、当初の予定がやや遅れてしまった。 また途中経過ではあるが、看護におけるCAM/CATの認知度と実践までの結果を論文投稿する予定であったが、これも途中であり、次年度には投稿をすることとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、看護におけるCAM/CATの基盤となる本質的なところを質的データ収集・分析を行う。現在、インタビューを行う看護職者をリクルート中である。CAM/CATを研究として取り組んでいる看護職者(研究者・教育者)と臨床現場でCAM/CATを実践している看護職者を選択していく。7~9月にはデータ収集、10~11月には分析を行い、結果が出次第、CAM/CATに関する概念の内容をデルファイ法を用いて調査をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度から継続している「CAM/CATの概念化」に関する質的研究が遅れてしまい、インタビューの旅費と面接データの逐語録のテープ起こし代が未使用であるため、次年度に繰り越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越金710,000円は、インタビュー調査10名分の旅費として50,000円/人(500,000円)と業者へテープ起こしを依頼20,000円/人(200,000円)を予定している。
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