研究課題/領域番号 |
26463273
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
冨澤 登志子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70333705)
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研究分担者 |
三上 佳澄 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40709143)
漆坂 真弓 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (70326304)
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70455731)
田上 恭子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (80361004)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 放射線被ばく / 看護診断 / 概念分析 |
研究実績の概要 |
ターゲットとなる診断概念を「放射線被ばく」として、397文献中、ランドマークとなる文献32文献を抽出し、モデル例、境界例、誤用例、考察例、先行要件、結果を検索した。「放射線被ばく」のモデル例では、“「放射線」や「放射線による被ばく」に対して漠然とした不安や恐怖感を持っていることが推測される”“CT検査を複数回受けることで小児がんのリスクが上昇するとした報告も記憶に新しい”、境界例としては職業被ばくや医療被ばくが挙げられ、相反例としては“放射線防護については「放射線防護の3 原則を知っている」と回答した人は97 名(24.5%)であり、そのうち3 原則を正しく記述した人は86 人であった”など、関連例として汚染、考察例としては、“患者らに不安を与える不必要な防護行動、「わざわざ撮影する病室から蜘蛛の子を散らすように逃げ出し、他の患者や見舞いの人を退室させたりする」現象を起こす可能性がある”などがあがった。先行要因には、透視時の介助、小線源の看護、ポータブル撮影時の介助、IVR検査の看護、Ⅹ線撮影時の介助、RI・PET 時の看護、医療放射線、結果としては遺伝的影響、不安、恐怖、皮膚変化、発赤、があげられた。専門職者へのインタビューでは、先行要因としては、Nuclear Incident, War, 放射線治療、医療被ばく、内用療法、放射線治療そのもの、検査、ラドンなどの自然放射線などが挙げられた。放射線被ばくの結果は、カオス、パニック、非日常的な事象、熱傷様の症状、多い量なら人体への影響がある、小児では二次がんなど放射線誘発の可能性等が挙げられた。「放射線被ばく」は切り取り方で多岐にわたるが、不必要な放射線被ばくが問題であり、診断にする場合は「不必要な放射線被ばく(unnecessary radiation exposure)」が診断用語になりうると考えられる。
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