研究課題
グローバル時代における専門看護師教育に求められる看護管理の教育内容について調査を行い、今後の専門看護師教育課程における教育に資することを目的として研究を行った。研究方法は、専門看護師のおかれている現状を明らかにし、教育内容を検討するために、まず、質問紙調査を行った。次に、協力の得られた専門看護師にその分析結果を提示しフォーカスグループインタビューを実施した。質問紙調査の対象は、専門看護師として日本看護協会に情報を公開している1862名のうち、所属を公開していない180名を除いた1682名、12領域の専門看護師を無作為抽出し、450名の所属先住所に送付し152名の回答(回収率35.2%)を分析の対象とした。平均年齢、42.95歳、看護師として経験年数、19.49年、専門看護師としての経験年数、5.32年であった。対象者のうち、46.6%が日常的にグローバル化を感じると回答していた。在学中学んだ程度と強化する必要性について20項目の質問に対する回答を分析したところ、学んだ程度、強化する必要性に共通していたのは、倫理的意思決定、意思決定論であった。グローバル化の影響として、多様性を知るのみならず、折り合いをつけて統合する能力や、看護は文化に関係するので意思決定支援や倫理的な支援は、その人たちの大切にしてきた習慣・価値観を大切にしながら支援する能力の必要性が示された。グループインタビューの分析結果からは、看護管理学を専門する人と専門看護師を目指して学ぶ人と目的が異なるので、学ぶ目的にひきつけられる授業の展開が必要であること、大学院修了後、リフレッシュセミナーや、専門看護師の更新の際などに段階的に管理やグローバル化に必要な内容をe-learningなどで学べる取り組みが必要なことが明らかになった。