看護業務量評価方法の構築に関する検討

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26463276
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 石井 豊恵 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00452433)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 看護業務 / 情報収集 / 思考 / 行動 / プロセス

研究実績の概要

本研究の目的は、看護業務を遂行するに当たり、”適切な情報収集・思考・行動決定判断”と”実際に業務行動として実施に費やした時間”との関係性を明らかにする事で、業務量評価の方法論を検討する事であり、H26年度実績は以下の通りである。
まず、看護業務・看護業務量について、本邦および世界の動向の検証を実施し、本研究の新規性を確認した。その後、看護師が行う情報収集・思考・行動決定の現象をどのように測定するかについて研究者間で検討を重ねた。情報収集については視覚情報はアイマークレコーダー（人が見ている視点を可視化・計測可能にする視線計測システム）を用いた計測、思考プロセスについては実施者へのインタビュー、行動についてはビデオカメラによる撮影を行う事で概ね決定した。更に、実際の対象を用いた調査については臨床における研究協力者と調査目的・方法等コンセンサスを共有し、実際の調査方法について検討を重ねた。それにより、看護師による模擬患者を相手とした仮想空間・時間限定下での業務シミュレーションを実施する事とし、実施施設における倫理申請を行った。本年度最終の研究フェーズとして応募者7名について、調査を行いデータを収集した。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H26年度計画は調査実施のための手段・手順の詳細な検討、各関係機関との調整、調査環境の整備、調査の実施、データ整理であり、データ整理までは到達していない。しかしながら当該施設の倫理審査について申請から承認までに約2ヶ月を要した事を含みおけば、当初予定に準じて進行していると評価できると考える。

今後の研究の推進方策

H27年度計画に基づき、以下収集データの整備・解析に取り組む
・視覚情報データについては、視線移動の定量化のためのシステム構築と視線移動定量化および対象看護師属性（経験年数等）による差異の描出
・ヒヤリングデータについては逐語録の作成、内容分類のためのシステム構築、内容分類の検討
・行動録画データについては動画分析のためのシステム構築、行動分析

次年度使用額が生じた理由

調査対象者予定数の減少に伴う支払い謝金の減額および効率化により、謝金使用予定額をセーブする事が出来たため。また、計画していたデータ整理が未着手であり、そこにかかる費用執行が発生しなかったため。

次年度使用額の使用計画

追加調査時の費用、データ整理の外注、解析関連ソフトウェアの購入、学会参加のための旅費として使用する予定である。