本研究の目的は、看護業務を遂行するにあたり、“適切な情報収集・思考・行動決定判断”と“実際に業務行動として実施に費やした時間”との関係性を明らかにする事で、業務量評価の方法論を検討する事であり、H28年度の研究進行概要は以下の通りである。 昨年度の最終フェーズにて、業務行動を一連の動画情報として観察した場合、明らかに熟練者と新卒1年目の違いが認識できるにも関わらず、データー項目を視線軌跡、動線、行動(触った、話した、聴いた、見た等他感的に抽出可能な動作)等の情報に分解すると、その別がつかなくなる事実が判明した。このような、熟練者ならびに新卒1年目の思考・行動をの差異を反映する脱落情報を特定するため、実験調査をリデザインした。動画を「音声を含む動画そのもの」、「音声のみ無くした動画」「音声をなくし、音声のキャプション(文字情報)を提示した動画」「音声のみの動画なし」にリメイクし、「看護師経験者(新卒1年目)」、「看護師経験者(熟練者)」、「看護学生」、「一般人」それぞれの群に見てもらい、人々が対象の行動を観察した際に、何の情報をを持って、熟練者(上手い)、新卒1年目(上手くない)を判断するのかの導出を試みている。 同時に、業務シュミレーション実験にて模擬患者を相手とした仮想空間で業務展開をしてもらう際に設定した、実施されるべき望ましい看護ケアについて、10分間の制限時間のなかで、設定ケアをクリアしたか、クリアした場合、その時間について、新人とベテランの差異を検証した。
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